という方から、
と思っている方まで対応したテニスのガット(ストリング)のまとめページです。
- ガットの張り替え時期:3ヶ月推奨は本当か?
- ガットの太さ:ゲージで何が変わる?
- ガットのテンション:何ポンドがいい?
- ガットの張り替え:かかる時間や値段は?
- おすすめガット:ナイロン・ナチュラル編
- おすすめガット:ポリエステル編
- スピンガット:回転がかかる仕組みとは?
- ガット張りのやり方:1番簡単な方法
ガットの張り替え時期:3ヶ月推奨は本当か?
ガットの張り替えは「3ヶ月」が推奨されていますが、必ずしもそうとはかぎりません。
ガットの素材で、テンション維持性能が違うからです。
テンション維持性能が高いと、テンションは落ちにくく、長い期間ボールが飛んでくれます。
テンション維持性能が低いと、テンションはすぐに落ちてしまい、ボールが飛ばなくなります。(結果として、張り替えるタイミングを早める必要があります。)
テニスのガットには主に3つの素材があり、それぞれの張り替える時期を解説します。
- 【ナイロン】
- 飛び・打球感・テンション維持性能のバランスがいい。
- もっともスクール生に使われているストリング。
- 【ポリエステル】
- 耐久性は高いがテンション維持性能が低い。
- ナイロンだとすぐに切れてしまう人向け。
- 【ナチュラル】
- 飛び・打球感がよく、テンション維持性能が高い。
- 欠点は高価で切れやすく雨に弱いこと。
ナイロンガットの張り替え時期
テニススクールの生徒さんの使用率が高いのが、化学繊維で作られたナイロンガット。
ナイロンガットは、3ヶ月経つと最初の飛びや打感と程遠い状態になります。
なので、ナイロンガットの張り替え時期は、張ってから「3ヶ月」が推奨されています。
ナチュラルガットの張り替え時期
牛の腸で作られている天然素材のナチュラルガット。
ナチュラルは、「マイルドな打感・弾きの良さ・高いテンション維持性能」を兼ね備えた万能ガットです。
高価なナチュラルガットはナイロンガットより弾力性を長く維持できるため、
が目安になります。
ポリエステルガットの張り替え時期
ナイロンガットと同じく、化学繊維で作られたポリエステルガット。
耐久性は高いですが、1ヶ月くらいで弾力性が落ちてしまい、ボールが飛ばなくなります。
できれば1ヶ月、遅くとも2ヶ月くらいで張り替えましょう。
ポリエステルガットは他の素材より衝撃も大きく、肘や手首を痛めやすいから要注意です。
ガットの太さ:ゲージで何が変わる?
ガットの太さで明らかに違うのは、以下の3つです。
- 耐久性
- 飛距離
- 球離れ
ガットの太さで耐久性が違う
これは想像しやすいかと思いますが、ガットの太さで耐久性が違います。
ガットが太ければ太いほど切れづらく、細ければ細いほど切れやすくなります。
太ければ太いほどいいというわけではありせんが、スイングスピードが速いプレーヤーにとって耐久性はガットの太さを決める重要な要素になるでしょう。
ガットの太さで飛距離が違う
ガットの太さで、ボールの飛距離が大きく変わります。
細ければ細いほど、打ったときにガットはたわみ、ボールの飛距離が伸びていきます。
太ければ太いほど、打ったときにガットはたわまず、ボールの飛距離は落ちていきます。
ボールが飛ばず浅くなってしまう、もしくは飛びすぎてアウトしてしまう方は、ガットの太さで飛距離を調整することができます。
ガットの太さで球離れが違う
ボールの飛距離とも関係してきますが、ガットの太さで球離れが変わります。
細ければ細いほど打ったときの球離れは早く、太ければ太いほど打ったときの球離れは遅く感じます。
球離れが早いと、下記のように感じられます。
- ボールがガットからすぐに離れていく感じ
- あっさりとした打感
- ボールがコントロールしづらい
球離れが遅いと、下記のように感じられます。
- ボールがガットに乗っている感じ
- 打ちごたえがある
- ボールがコントロールしやすい
ただ、どちらがいいというわけではなく、大抵の方は気持ちよく打てる太さを試しながら見つけていくのがいいかと思います。
ガットのテンション:何ポンドがいい?
ラケットにガットをたくさん張ってきた元コーチ兼ストリンガーのわたしがお答えします。
100インチ前後のラケットにガットを張る目安
テニススクールの生徒さんの使用率が高い
に
を張る場合の目安をまとめておきます。
- 【男性】
- →50ポンド
- 【女性】
- →47ポンド
あくまでも目安なので、次回ガットを張るとき、さらに微調整することをおすすめします。
テンションの微調整は、ラケットを気持ちよく振り抜けたときにボールがどんなふうに飛んでいるかを見るといいです。
- 【ボールが飛び過ぎてしまう場合】
- →テンションを1〜2ポンド上げてみる
- 【ボールが浅くなってしまう場合】
- →テンションを1〜2ポンド下げてみる
2ポンドくらい変えると、打ったときの感触やボールの飛びはだいぶ変わります。
テンションシールを基準にテンションを決める
ガットを張り替える場合、ラケットのスロート辺りに
が貼ってある場合があります。
テンションシールは、テニスショップやテニススクールでガットを張ったときに付けています。
テンションシールがあれば、張ってあるストリングの「商品名・テンション・張り日」がわかります。
明らかにボールが飛ばないと感じたら、テンションを1〜2ポンド下げてみる。
もしくは、ボールが飛び過ぎてしまうなら、テンションを1〜2ポンド上げてみる。
そんなふうに、調整するといいでしょう。
ガットの張り替え:かかる時間や値段は?
ガットの張り替えにかかる時間と値段について解説します。
ガット(ストリング)の張り替えにかかる時間
ストリングの張り替えにかかる時間は、張る人にもよりますが、
です。
ただ、ストリングの張り替えを依頼しても、すぐに張ってもらえるとはかぎりません。
テニススクールに依頼する場合、張り替えができるコーチが不在の場合があります。
また、ストリンガーが常駐しているテニスショップでも、張り替えの注文がたくさん入っていれば、すぐに張ってもらえないかもしれません。
もし、ストリングの張り替えを急いでいるなら、どれくらいで受け取れるか電話で確認しておくといいでしょう。
ガットの張り替えにかかる値段
ガットの張り替え代は、
です。
ガット代は、1,500円以下の安価なナイロンガットから10,000円近くするナチュラルガットまでピンキリです。
テニススクール生がよく使っているナイロンのマルチフィラメントであれば、2,000〜3,000円くらいでしょうか。
加工料に関しては、800〜2,000円とお店によってかなり違います。
一般的なガットと加工料を合わせると、3,000〜5,000円くらいかかります。
張るのが難しいナチュラルガットの場合は、加工料がさらに高くなったりします。
また、ガットを持ち込んで張り替えをお願いする場合、持ち込み料がかかったりします。
おすすめガット:ナイロン・ナチュラル編
ガットが頻繁に切れることがなければ、
がおすすめです。
ガットにお金をかけられる人は、
も候補に入れるといいでしょう。
ナイロンガットの選び方
ナイロンガットには、芯が単一のモノフィラメントと複数を束ねたマルチフィラメントがあります。(その中間の構造もあります。)
モノフィラメントは、反発力と耐久性のバランスがとれていて安価。
マルチフィラメントは、ナチュラルガットを目指して作られているのでソフトな打感。
ナイロンの標準ゲージ(太さ)は、1.30mmくらい。
ボールをもっと楽に飛ばしたい方は、1つ細い1.25mmも検討するといいでしょう。(ただし、耐久性やコントロール性能が落ちます。)
初心者〜初級|おすすめナイロンガット3選
なるべく安価で、構造の違うものを選びました。(クリックすると詳細が出ます。)
MICRO SUPER(ミクロスーパー)
構造は単一芯のモノフィラメントで、ボールの飛びや耐久性など性能バランスに優れたスタンダードモデル。安価で、テニスを始めるお子さんにもおすすめです。
AK PRO(エーケープロ)
AK PROは、ゴーセン独自の海島型構造を採用しており、単一芯のミクロスーパーよりやわらかく仕上がっています。必要以上に飛ばないため、ボールをコントロールしやすく、AK PROの打感を好む生徒さんは多かったです。
AERON SUPER 850(エアロンスーパー850)
構造はマルチフィラメント。ソフトな打感と軽快な飛びで、圧倒的な人気を誇ります。4色から選べ、ラケットをコーディネートしやすいです。
中級〜上級|おすすめナイロン・ナチュラル3選
ストリングにもこだわりたい中級〜上級者には、打感を重視して3つ選びました。(クリックすると詳細が出ます。)
X-ONE BIPHASE(エックスワン バイフェイズ)
ナイロンのマルチフィラメントの中では最上級のストリングと言っていいでしょう。打ったときの打感は非常にやわらかく、反発性能も抜群にいいです。わたし個人としては、ナチュラルガット以上に打感は気持ちいいと思っています。
TGV(ティージーブイ)
マルチフィラメント構造で、やわらかい打感とタッチコントロールのしやすさが人気です。女性で肘を痛めている方がよく使っていますが、男性でボールが乗る感覚を好むプレーヤーにも合うストリングです!
TOUCH TONIC(タッチトニック)
TOUCH TONICは価格が抑えめで、ナチュラルガットの入門モデルと言ってもいいでしょう。ナイロンで3ヶ月に1回張り替えしている人であれば、TOUCH TONICを6ヶ月使ったほうが安く済みます。
おすすめガット:ポリエステル編
ナイロンだとすぐに切れてしまう方は、耐久性の高いポリエステルを検討しましょう。
ポリエステルガットの選び方
ポリエステルは、単一芯のモノフィラメント構造がほとんどです。
テンション維持性能が低めなので、張り替え頻度は上がります。
ポリエステルの標準ゲージ(太さ)は、1.25mmくらい。
ポリエステルでもボールを楽に飛ばしたい方は、1.20mm(ストリングによっては1.15mm)くらいがいいでしょう。
ただし、細すぎるとコントロール性能と切断耐久性が落ちますので、バランスをとりながらゲージを選ぶといいですね。
ポリエステルに下記を求めているのであれば、1.25mmか1.30mmで選ぶといいでしょう。
- ボールの飛びを抑えたい
- ボールを潰して打ちたい
- 切断耐久性を上げたい
ポリエステルおすすめ5選
わたし自身、ポリエステルを使用していますが、そんなに力があるほうではありません。
そんなわたしでも、使いこなせるおすすめのポリエステルガットを5つ紹介します。(クリックすると詳細が出ます。)
RPMブラスト
比較的柔らかい打感でクセもないので、ナイロンストリングから移行しやすいポリエステルストリングです。ポリエステルストリングを初めて使う方におすすめ!
アウトブレイク
打感は柔らかめで軽い感触。RPMブラストに少し似ている。ロールも安価なので、気に入ればガット代を節約できます!
ハイパーG
スピンがかかりやすい五角形形状で、振動吸収性が高く、快適な打球感が特徴。普段使っているゲージより1つ細くしても、ボールが乗る感触が残る(球離れが早くならない)くらい柔らかいです。
ツアーバイトソフト
打感は柔らかいというより鈍い感触ですが、すごくわたしの好みでした。体力があれば、1番使いたいと思うポリストリング。スピンが効いた攻撃的なテニスができそうです!
G-TOUR1
ハードヒッターにこのガットを使わすと、確かにバウンド後の伸びが違います。明らかにボールが重い!RPMブラストやアウトブレイクでは物足りないと感じたら、試してみる価値ありです。
スピンガット:回転がかかる仕組みとは?
スピンがかかるガットの仕組みは2種類あります。
- ガットの表面を加工してボールを引っ掛ける
- スナップバックを利用する
ガットの表面を加工してボールを引っ掛けるタイプには、下記のようなものがあります。
- 多角形型
- 凹凸型
多角形型はポリエステルに多いですね。
各メーカーがスピン系ガットとして販売しています。
凹凸型も、ボールを引っ掛かりやすくするための加工ですね。
スナップバックがしやすいガットも、回転がよくかかります。
打ったときにストリングが動かされ、元の位置に戻ろうとする力でボールに回転をかけるのが、スナップバックです。
スナップバックは、
ほうが起こしやすいです。(ストリングが動きやすくなるため。)
また、横のストリング数が少なかったり、大きなフェイス面積のラケットを選ぶと、スナップバックは起こしやすいです。
ストリングの目が荒くなり、縦のストリングが動きやすくなるからです。
ガット張りのやり方:1番簡単な方法
そんな方のために、ガット張りのやり方を記事にしました。
解説しているのは「2本張り」のやり方。
縦糸と横糸が違うハイブリッドも張れる方法です。
ストリングを2本に分けるため、1本張りよりラケットのホールに通す長さが短くなり、楽に張れます。
ノット(結び目)を4つ作るので、1本張りより緩みやすいというデメリットはあります。
ただ、ガット張りのハードルを落としてくれるので、1本張りより覚えやすいと思います。
下の記事で解説しているので、参考にしてみてください。