- テニスコートのサイズと名称【大きさ・面積とライン・エリアの名前】
- テニスコートの攻略方法【覚えるべき数字と実際のプレーへの影響】
テニスコートの大きさやネットの高さを普段意識している方は少ないと思いますが、知ると普段の練習のとらえ方が変わります。
また、テニススクールのレッスンではテニスコートのラインやエリアの名称を使いながら説明します。
知っていれば、コーチのアドバイスもすんなり入っていきます。
テニスというスポーツを攻略するなら、コートのことはぜひ知っておきたいです。
テニスコートのサイズと名称【大きさ・面積とライン・エリアの名前】
テニスコートを下記の3つに分けて解説します。
- テニスコートのサイズ
- コートラインの名称
- コートエリアの名称
テニスコートのサイズ
テニスには2対2で戦うダブルスと1対1で戦うシングルスがあります。
テニスコートは長方形で、ダブルスとシングルスでは使用するコートの大きさが違います。
ダブルスのコートサイズ
- 【縦の長さ】
- →23.77m(26yd)
- 【横の長さ】
- →10.97m(12yd)
※ラインを含めた長さになります。
ダブルスコートの面積は260.76㎡、坪数(1坪は約3.3㎡)だと約79坪です。
バレーボールのコートサイズが18m×9mで面積162㎡、バスケットボールの一般コートが28m×15mで面積420㎡なので、ダブルスコートのサイズはこの中間くらいのイメージです。
半面での形を見てみると、下記のようになります。
- 【テニスのダブルスコート】
- →若干縦長の長方形
- 【バレーボール】
- →正方形
- 【バスケットボール】
- →若干横長の長方形
ダブルスのネットは、下記のようになります。
- 【中央の高さ】
- →0.914m(1yd)
- 【両端の高さ】
- →1.07m(1.17yd)
ネットの上端とコードをおおうバンドの中央をストラップで押し下げて0.914mの高さにします。
ダブルスコートのサイドライン外側から0.914m(1yd)離れたところに、ネットポールの中心が立つようにします。
シングルスのコートサイズ
- 【縦の長さ】
- →23.77m(26yd)
- 【横の長さ】
- →8.23m(9yd)
※ラインを含めた長さになります。
シングルスコートの面積は195.63㎡、坪数だと約59坪です。
縦の長さはダブルスコートと同じですが、横の長さが違います。
日本で見るのはダブルス・シングルス共用のコートですが、国際大会ではシングルスのみのコートもあります。
シングルスのネットは、下記のようになります。
- 【中央の高さ】
- →0.914m(1yd)
- 【両端の高さ】
- →1.07m(1.17yd)
ともにダブルスネットと同じ高さですが、違いがあります。
それは、ネットポールの立っている位置です。
シングルスコートのサイドライン外側から0.914m(1yd)離れたところに、ネットポールの中心が立つようにします。
ダブルス・シングルス共用コートでは、ネットポールの代わりにシングルススティックを立てます。
シングルスコートのサイドライン外側から0.914m(1yd)離れたところにシングルススティックの中心を合わせて立てます。
シングルススティックは1.07mの高さなので、シングルスのネットポールの代わりを果たします。(シングルススティックに0.914mの目印も付いているので、立てる位置もわかります。)
日本はほぼ共用コートなので、シングルスをするときはシングルススティックを立てます。
コート周辺のスペースについて
テニスコートによって、コート周辺のスペースはいろいろです。
インドアのテニススクールでは並んでいるコートに仕切りカーテンを設置しますが、サイドのスペースがほとんどなかったりします。
公共のテニスコートでは、ベースライン後方のスペースがほとんどないところもあります。
建物の屋上にあるテニスコートは、ボールが外に出ないよう真上にもネットが張ってあり、高いロブが打てないところもあります。
「JTAテニスルールブック2021」を確認すると、国際テニス連盟が定めるテニスルールに推奨値が記載されています。
国際大会や公式トーナメントでは、ベースライン後方は最低でも6.4m以上、サイドライン横は最低でも3.66m以上が望ましいとされています。
また、天井までの高さは9m以上が望ましいとあります。
コートラインの名称
テニスコートの各ラインはどれもよく使うので、覚えておきたいところです。
- ベースライン
- サービスライン
- センター・サービスライン
- センターマーク
- ダブルス・サイドライン
- シングルス・サイドライン
ベースライン
サービスライン
センター・サービスライン
ネットからの長さは6.40m(7yd)です。
センターマーク
長さは10cmです。(太さは5cm。)
ダブルス・サイドライン
シングルス・サイドライン
ラインの幅は下記のように決まっています。
- 【センター・サービスライン】
- →5cm
- 【センターマーク】
- →5cm
- 【他のライン】
- →2.5〜5cm
ただし、ベースラインの幅は10cmまで太くできます。(つまり、2.5〜10cmですね。)
コートエリアの名称
テニスをするなら覚えておきたいコートエリアの名称です。
- ダブルスコート
- シングルスコート
- サービスコート
- アレー
- デュースサイド
- アドバンテージサイド
- デッドゾーン
ダブルスコート
ダブルスで使うコートエリアです。
シングルスコート
シングルスで使うコートエリアです。
サービスコート
サーブは、斜めの相手サービスコートにワンバウンドさせなければいけません。
アレー
ダブルスサイドラインとシングルスサイドラインの間のエリアです。
アレーの幅は1.37m(1.5yd)です。
デュースサイド
よく「フォアサイド」と呼ぶ方が多いですが、正確には「デュースサイド」です。(左利きの方には、「バックサイド」になってしまいます。)
カウントが「デュース」のときは、必ず「デュースサイド」からサーブ・リターンします。
アドバンテージサイド
よく「バックサイド」と呼ぶ方が多いですが、正確には「アドバンテージサイド」です。(左利きの方には、「フォアサイド」になってしまいます。)
「アドサイド」と省いて呼ぶことが多いです。
カウントが「アドバンテージ・サーバー」と「アドバンテージ・レシーバー」のときは、必ず「アドバンテージサイド」からサーブ・リターンします。
デッドゾーン
サービスラインとベースラインの間のエリアをデッドゾーンといいます。
このエリアに立つと、難しいタイミング(ノーバウンド・ショートバウンド・ライジング)でボールを打つ機会が増えます。
テニススクールでは、ベースライン後方かサービスラインより前のどちらかにポジションをとるよう指導します。
もし、相手のボールが浅くなることを予測できれば、デッドゾーンも有効なポジションになります。
テニスコートの攻略方法【覚えるべき数字と実際のプレーへの影響】
もし、これから本気でテニスに取り組むなら、テニスコートについてさらに深く考えてみましょう。
テニスコートで覚えておきたい長さ
テニスコートやネットの長さを覚えるなら、下記を押さえておきましょう。
- 【ネット中央の高さ】0.914m
【ネット両端の高さ】1.07m - 【コートの縦】23.77m
【ダブルスコートの横】10.97m
【シングルスコートの横】8.23m - 【センター・サービスライン】6.40m
【アレーの幅】1.37m
覚えたい優先順位で、3つのグループに分けています。
最悪「0.914m」と「1.07m」だけ覚えておけば何とかなる
そんな方は、「ネット中央の高さ→0.914m」と「ネット両端の高さ→1.07m」だけ覚えておけば何とかなります。
- 1yd(ヤード)≒0.914m=ネット中央の高さ=サイドラインとネットポール(シングルススティック)の距離
テニスコートの長さは、「yd(ヤード)」で見ればわかりやすい数字が並びます。
そして、「1yd(ヤード)≒0.914m」で計算していけば、「m(メートル)」での長さも出すことができます。
ネットを書く
最初に、14ydのネットを書きます。
「14」は、ネット中央の高さ0.914mの下2桁から連想するといいでしょう。
ダブルス・サイドラインを書く
ネット両端から1yd内側にダブルス・サイドラインを書きます。
2本のダブルス・サイドラインの距離は12yd、ネットからベースラインまでの距離は少し長い13ydです。
テニスコートは半面でも縦長の長方形だということを覚えておきましょう。
ベースラインを書く
ダブルス・サイドラインの端を結ぶとベースラインになります。
シングルス・サイドラインを書く
ダブルス・サイドラインの1.5yd内側に、シングルスサイドラインを書きます。
サービスラインを書く
次に、サービスラインを書きます。
ネットからベースラインまでの距離は13ydでしたが、ネットからサービスラインまでの距離はネットからコート中央より少し長い7ydです。
センター・サービスラインを書く
ネットの中央からセンター・サービスラインを引きます。
ついでに、センターマークも書いておきましょう。
シングルススティックの位置を書く
ネット上のシングルス・サイドラインから1yd外側に、シングルススティックの立てる位置を書いておきます。
長さを出すだけなら半面で十分ですが、1面書くとテニスコートの形がよくわかります。
1yd(ヤード)≒0.914mで計算してみると、下記のようになります。
主要な長さ(グレーの行)のほとんどは、yd(ヤード)に0.914をかけて小数点第三位を四捨五入すればm(メートル)が出せます。
⬆︎1マス1yd(ヤード)で書きます
⬆︎備考を参考にydからmに変換してみてください
テニスコートの広さから考えられること
テニスコートの広さがわかったら、実際に練習やゲームに活かしてみましょう。
テニスコートは縦長
テニスは、左右のボールは思ったよりとれるのに、前後のボールがなかなかとれない…
それは、テニスコートは半面でも縦長の長方形だからです。
シングルスになると、アレーがない分なおさらです。
ダブルスもコートを2人で守るので、それぞれの守備範囲は縦長になりやすいです。
左右より、前後のボールコントロールやフットワークを磨いたほうがコートを効率よく使えます。
ストレートは難しい
テニスを始めて、最初に習うコースはストレートです。
各ショットの基本技術を磨くのに適しているからです。
ですが、テニスコートやネットのことを知ると、ゲーム中にストレートへ打つのは難しいことがわかります。
- ネットするリスクが高まる
- サイドアウトのリスクが高まる
- リカバリーの距離が長くなる
ストレートは、クロスよりネットするリスクが高まります。
ストレートのほうがクロスより飛距離が短く、低い軌道になります。
ですが、ネットはクロスに打つより0.156m(=ネット両端の高さ1.07m-ネット中央の高さ0.914m)近く高くなります。(テニスボール2球分といったところでしょうか。)
また、サイドライン近くを打てば、サイドアウトのリスクが高まります。
クロスからストレートへコースを変更するならなおさらです。
クロスなら、角度をつけても短く落とせればサイドアウトしづらくなります。
仮にストレートへ打ったボールがコートに入ったとしても、コートをリカバーする距離が長くなります。
ストレートが甘ければ、コートをリカバーする前にカウンターショットを食らいます。
相手を崩すうえでストレートへ打つことは必須ですが、かなりの精度が求められます。
テニスコート周りのスペースを利用する
コート周りのスペースが限られているときは、以下の戦略が有効になります。
- サイドライン横のスペースが狭ければ、角度をつけたアングルショットが効く。
- ベースライン後方のスペースが狭ければ、深く弾むトップスピンが効く。
- 防球ネットがコート頭上にある場合、高いロブが打てないためネットにつめたほうが有利になる。
仲間内のゲームでは、嫌われない程度に活用しましょう。
アレーの幅を利用する
テニススクールのレッスンでは、アレーを使ってラリー練習をすることがあります。
「グランドストローク対グランドストローク」や「ボレー対グランドストローク」です。
このとき、ただボールをつなげるのではなくアレーを狙うようにすると、まっすぐ打つ精度が格段に上がります。
アレーの幅は、わずか1.37m。
意識するだけでコントロール精度が上がるなら、使わない手はないです。
その他、テニスコートについて知っておきたいことは、いろいろなサーフェスについてです。
テニスコートのサーフェスの種類を下記の記事にまとめているので、こちらもぜひ読んでみてください。