- テニスのシングルスとは?ルールを元コーチがわかりやすく解説
- テニスのシングルスとダブルスの違い|すぐに切り替えたい3ポイント
テニスのシングルスとは?ルールを元コーチがわかりやすく解説
テニスのシングルスとは、1対1で対戦する競技です。
ネットを挟んで、各コートを1人の選手が守り、試合を行います。
テニスのダブルスの場合は2対2で対戦し、各コートを2人の選手が協力して競い合います。
シングルスの使用するコートとネット
シングルスの使用するコートは、下記のとおり。
- 【縦の長さ】
- →23.77m(26yd)
- 【横の長さ】
- →8.23m(9yd)
※ラインを含めた長さになります。
シングルスコートの面積は195.63㎡、坪数だと約59坪です。
シングルスのコートは、ダブルスコートよりも内側のシングルスサイドラインまでです。
シングルスのネットは、下記のようになります。
- 【中央の高さ】
→0.914m(1yd) - 【両端の高さ】
→1.07m(1.17yd)
ともにダブルスネットと同じ高さですが、違いがあります。
それは、ネットポールの立っている位置です。
シングルスコートのサイドライン外側から0.914m(1yd)離れたところに、ネットポールの中心が立つようにします。
ダブルス・シングルス共用コートでは、ネットポールの代わりにシングルススティックを立てます。
シングルスコートのサイドライン外側から0.914m(1yd)離れたところにシングルススティックの中心を合わせて立てます。
シングルススティックは1.07mの高さなので、シングルスのネットポールの代わりを果たします。(シングルススティックに0.914mの目印も付いているので、立てる位置もわかります。)
テニス仲間でシングルスをやる場合は、シングルススティックを持っておくと便利ですね。
シングルスのルール
コートの広さとネットの高さに違いはありますが、ダブルスのルールがわかっていればシングルスでは困りません。
1人2役をやるつもりでシングルスをすれば大丈夫です。
本記事では、ダブルスを知らなくてもわかるように、シングルスのルールを解説します。
- トス
- サーブ
- レシーブからラリー
- ゲームをとるまでのポイントの数え方
- セットをとるまでのゲームの数え方
- 試合に勝利するまでのセットの数え方
トス
コイントスかラケットトスでサーブ権やコート(エンド)を決めます。
わたしたちの場合は、ほとんどがラケットトスです。
片方のプレーヤーが、「アップ」「ダウン」のどちらかを言い、当たったらサーブ(もしくはレシーブ)かコートを選べます。
もう片方のプレーヤーが、余ったほうを選べます。
当たらなかった場合は、もう片方のプレーヤーがサーブ(もしくはレシーブ)かコートを選びます。
サーブ
テニスのポイントは、必ずサーブからスタートします。
ベースラインの後ろから、手でボールを頭上へ上げて、対角線上にある相手サービスコートを狙います。
1回目のサーブ(ファーストサーブ)を失敗しても、2回目のサーブ(セカンドサーブ)を打つことができます。
2回目のサーブも失敗すると失点になります。
ゲームの1ポイント目は、デュースサイド(自分が守るコートの右側半分側)からサーブします。
2ポイント目はアドバンテージサイド(自分が守るコートの左側半分側)でサーブします。
ポイントが終わるたびに、サーブ・レシーブのサイドを左右チェンジしながら進めます。
サーブ権の決め方(ラケットトス)とサーブのルールについては、下の記事で詳しく解説しています。
レシーブからラリー
サーブを打つ側をサーバー、サーブを受ける側をレシーバーと呼びます。
サーブが対角線上のサービスコートに入ったら、レシーバーは相手コートへ打ち返さなければいけません。
レシーバーがボールを打ち返した場合、とぎれるまでボールを打ち合います。
サーブを受けるレシーブは必ずワンバウンドしてから返球しますが、その後のラリーはノーバウンドかワンバウンドで返球します。
相手コートにワンバウンドするように打ち合い、勝ったほうが1ポイントを獲得できます。
ゲームをとるまでのポイントの数え方
「ゲーム」中はサーバー・レシーバーが変わらず、どちらかが4ポイント先取するまで戦います。
ただし、0〜4ポイントは下記のようにスコア表示し、コールします。
ポイント(得点)は、「サーバー→レシーバー」の順にコールします。(セルフジャッジの場合は、サーバーがファーストサーブを打つ前にコールします。)
例えば、サーバーが1ポイント、レシーバーが2ポイントのときは「フィフティーン・サーティー」とコールします。
サーバーとレシーバーのポイント(得点)が同じときは、「フィフティーン・フィフティーン」ではなく「フィフティーン・オール」のように「オール」をつけてコールします。
デュース(40 – 40)など詳しいポイントの数え方は、下の記事で解説しています。
セットをとるまでのゲームの数え方
1ゲームごとにサーブ権を交代し、6ゲーム先取すると「セット」を獲得できます。
奇数ゲームが終わるたびにコートチェンジを行います。
各セットの1ゲーム目が終わったときは休憩できませんが、それ以降のコートチェンジでは90秒の休憩がとれます。
コートチェンジと休憩については、下記の記事にまとめています。
ゲーム数のカウントとコールは下記のようにスコア表示し、コールします。
試合で審判がいる場合、ゲームカウントはリードしている側からコールしますが、セルフジャッジなら「自分→相手」の順にコールできれば大丈夫です。
セルフジャッジで自分がゲームカウントをコールする場合の例を書いておきます。(「自分のゲーム数・相手のゲーム数・スコアの表示・コール」を表にしています。)
ゲームカウントが「6 – 6」になったとき、短期決戦でセットの勝者を決めるタイブレーク方式については、下の記事で解説しています。
試合に勝利するまでのセットの数え方
テニスの試合は、大会によって競うセット数が違います。
「3セットマッチ」では2セット、「5セットマッチ」では3セットを先取したプレーヤーが試合に勝利できます。
セット数のカウントとコールは下記のようにスコア表示し、コールします。
試合で審判がいる場合、セットカウントはリードしている側からコールしますが、セルフジャッジなら「自分→相手」の順にコールできれば大丈夫です。
例えば、サーバーが1セットでレシーバーが2セットとっているなら、サーバーは「(セットカウント) ワン ツー」とコールしてから1ポイント目のサーブを打てばOKです。
「ゲームの数え方」と「セットの数え方」については、下記の記事で詳しくまとめています。
シングルスの魅力
シングルスの魅力は以下のとおり。
- 個人の技術と戦術を追求できる。
- 個人の判断で打てるので、いろいろなチャレンジがしやすい。
- フィジカル面の向上が結果に反映しやすい。
- 自分のペースで、試合をしやすい。
下記の1つでも当てはまれば、シングルスにチャレンジする価値はありますよ。
- 自分の力を試したい
- 試合を通して技術や戦術を磨きたい
- コートカバーできる範囲を広げたい
- ストロークの底上げをしたい
ダブルスに慣れていると、最初は1人で戦うのに勇気がいるかもしれません。
でも、シングルスには1人で戦う気楽さがあり、ダブルスより自由にプレーできます。
テニスのシングルスとダブルスの違い|すぐに切り替えたい3ポイント
本記事後半では、シングルスとダブルスの違いを3つ紹介します。
ダブルスからシングルスに切り替えるときに、知っておくといいでしょう。
シングルスにはカバーしてくれる人がいない
シングルスには、カバーしてくれる人がいません。
1人でコートを守っているので当然といえば当然ですね。
ダブルスなら、あなたがオープンコートを作ってしまってもパートナーがある程度カバーしてくれます。
相手にボールをとられても、パートナーが返球してくれれば、その間に次のポジションに移動する余裕があります。
シングルスは1人で戦わなければならないので、
時間を作ったり、
必要があります。
シングルスはオープンコートを作りやすい
シングルスは、ダブルスと比べてオープンコートを作りやすいです。
アレーがない分コートは狭くなりましたが、相手のプレーヤーは1人だけ。
相手を左右もしくは前後に振れば、大きなオープンコートがすぐに作れます。
ダブルスは、小さなスペースを見つけて、そこへ正確にコントロールしなければいけません。
シングルスは、ダブルスよりわかりやすく攻めることができます。
シングルスはリターンの心構えが違う
シングルスは、ダブルスとリターンの心構えが違います。
ダブルスでプレッシャーになっていた相手の前衛がいないからです。
ダブルスでは、甘いリターンを打ってしまうと前衛の餌食になります。
リスクを追っても、しっかりとコースを打ち分ける必要がありました。
しかし、シングルスはプレッシャーをかけてくる前衛がいないため、とりあえず返すという選択肢が使えます。
相手が強力なファーストサーブを打ってきても、とりあえずセンターにフワッとしたボールで返球することが可能です。
センターに深くコントロールできれば、相手は角度がつけにくく、攻撃しづらくなります。
ダブルスで同じ返球をすれば、前衛に叩かれてやられます。
シングルスは、テニスの基本となる競技。
シングルスで磨いた技術や戦術は、ダブルスにも必ず生きてきます!