- 【テニスのフォアハンドのコツ】劇的によくなる5つを紹介【苦手を得意に変えたい方へ】
- ゲームや試合でフォアハンドを生かす3つのコツ
生徒さんやわたし自身のテニスを大きく上達させたフォアハンドストロークのコツを5つ紹介します。
どれもフォアハンドストロークには欠かすことのできない内容なので、ぜひ身につけてください。
【テニスのフォアハンドのコツ】劇的によくなる5つを紹介【苦手を得意に変えたい方へ】
何かコツをつかんだとき、テニスが大きく変化することがあります。
もし、下記の中に知らないコツがあれば、フォアハンドストロークが劇的によくなる可能性があります。
- 弾道が高く深いボールは先に後ろに下がっておく
- 薄い当たりでバリエーションを広げる
- 習得の順序を間違えない
- 高い打点は脇を開ける
- 下半身を機能させる
以下、右利きを前提に解説します。
弾道が高く深いボールは先に後ろに下がっておく
ボールが割とゆっくりな場合です。
弾道が高く深いボールに対して、どう動いていますか?
速いボールならあまり余裕はありませんが、ゆっくりな場合は動く時間が十分にあります。
そんなときは、ボールより先に大きく下がってしまいましょう。
下がりすぎるくらいがちょうどいいです。
実際に打つ位置より後ろに下がれば、その後に前進しながら踏み込んで打てます。
前後に多く動くため無駄な動きに見えますが、前足を踏み込めれば体重を乗せて打つことができます。
その分、ボールに重みが出てきます。
ボールより先に大きく下がる、その他のメリットは、
ことです。
高い打点からフォアハンドストロークで叩ける方はいいですが、深いボールとなるとけっこう難易度は高めです。
ボールより先に大きく下がることは、しっかり打ちながらつなぐときの最善の選択肢になります。
- ボールと同じスピードで下がってしまい、食い込まれながら打ってしまう
- あまり下がらずに、高い打点で打って自滅してしまう
上記のようになる方は、積極的に取り入れてみてください。
今までより、ラリーが長くつながるようになるはずです。
薄い当たりでバリエーションを広げる
そんな方に覚えてほしいフォアハンドストロークのコツが、「薄い当たりでバリエーションを広げる」です。
使うのはトップスピンですが、薄く当てる技術が必要になります。
ボールの進行方向とラケットのスイング方向がほぼ同じだと厚い当たりになります。
回転量は少ないですが、推進力のあるボールが打てます。
それに対して、ボールの進行方向とラケットのスイング方向が大きくずれると薄い当たりになります。
ボールの推進力はありませんが、回転量の多いボールになります。
推進力のない回転量の多いボールは、使い道がないと思うかもしれません。
ですが、下記のように用途が広く、フォアハンドストロークのバリエーションを大きく増やしてくれます。
- ショートラリーができる
- ネットからの距離を変えてもコートに入る
- ネットプレーヤーの足元に落とせる
- ショートクロスに打てる
- ムーンボールが打てる
- トップスピンロブが打てる
肝心のフォアハンドストロークの薄い当て方についてですが、普段ベースラインから打っているときの打点よりさらに前でボールをとらえるようにします。
そうするとその分ラケットの位置が上がり、打点は高くなります。
これで前方より上方に振り抜きやすい打点になりました。
ラケットダウンすれば下から上のスイングを強調できますが、もう1つポイントがあります。
前後のスイング幅を狭めることです。
普段どおりラケットを後方に引いたところからスタートしてしまうと、後ろから前のスイングが入り、薄い当たりになりづらいです。(慣れれば、普段どおりのテイクバックから薄い当たりはできますが…)
ラケットダウンしたときに右手を右足の前くらいに置いておくと、前後のスイング幅が狭まり下から上のスイングがしやすくなります。
最初はこのラケットダウンしたところからスタートすると、薄い当たりの感触を出しやすいです。
慣れてきたら、普段のテイクバックからでもできるように練習してみましょう。
習得の順序を間違えない
フォアハンドストロークで遠回りしたくなければ、習得の順序を間違えないようにしましょう。
- テイクバックの方法
- 左腕の動き(右利きの場合)
- オープンスタンス
多くの方がこれらを気にしますが、大事なものが抜け落ちていると逆効果になりかねません。
大事なものというのは、インサイドアウトのスイングです。
インサイドアウトを簡単に説明すると、ラケットがボールより内側から入り、外へ抜けていく軌道のことです。
十分なショルダーターンが鍵を握っています。(これだけではありませんが、かなり重要な要素です。)
インサイドアウトのスイングをマスターしていると、ボールとの距離のとり方がわかり、容易にスイートスポットでとらえることができます。
逆に、ボールとの距離が合わない方、スイートスポットに当たらず打感が気持ち悪い方はインサイドアウトのスイングができていないと思っていいでしょう。
インサイドアウトのスイングができていないとこうなります。
- 【テイクバックをいろいろ試す】
- →どれをやってもしっくりこない
- 【左腕の使い方を意識する】
- →スイングの邪魔をするだけ
- 【オープンスタンスを積極的に使う】
- →アウトサイドインのスイングになっていく
どれも過去の自分です。
フォアハンドストロークでかなりの遠回りをしました…
習得の順序としては、下記がおすすめです。
- インサイドアウトのスイングをマスター
- テイクバックの方法を考える
- 左腕の動きを付け加える
- スクエアスタンスと並行してオープンスタンスを取り入れる
テニスは、生き物のように育てるのが難しいです。
慎重に1つずつ習得していきましょう。
高い打点は脇を開ける
テニススクールで初中級以上になると、こんな悩みが出てきます。
高い打点でフォアハンドストロークを打つときは、右脇を開けるのがコツです。
テイクバック終了からフィニッシュまで、ずっと脇は開けておきます。
脇をどれくらい開けるかは、グリップの握りで異なります。(グリップが厚いほど肘が曲がりやすいため。)
普段低い打点で打っていると、スイング中に右肘が身体の近くを通ります。
この動作を
と勘違いし、身体に定着してしまうと高い打点で打てなくなります。
低い打点で打つときは「縦のスイング」を使います。
脇を締めるのではなく、右腕を縦に振っているため右肘が身体の近くを通るだけです。(実際には完全な縦ではなく少し斜めですが…)
高い打点で打つときは「横のスイング」を使います。
右腕を横に振っているため、右肘が身体から離れます。
そんな方は、オープンスタンスかセミオープンスタンスを使って回転運動を強調してみましょう。
高い打点を横のスイングで打つスキルは、厚い当たりで攻撃するときに必要です。
高い打点は、脇を開けたまま右腕を横に振りましょう。
下半身を機能させる
テニスがうまい人たちを見ていると、どうしても上半身の動きに目がいってしまいます。
確かに、ダイナミックにラケットを振り抜いていると見とれてしまいます。
ですが、いくら上半身の動きを真似ても同じようには打てません。
試合会場で比べるとわかるのですが、うまい人たちとそうでない人たちでは下半身の動きが圧倒的に違います。
テニスがうまい人たちは、下半身が機能しています。
そうでない人たちは、両足が棒立ちになり、上半身でがんばります。(いわゆる手打ちですね。)
なので、ボールが軽くなってしまいます。
ジュニアのころからボールを打ち続けていれば、自然と下半身から運動連鎖を使って打てるでしょう。
ですが、大人からテニスを始めた場合、どうしても上半身に頼ってしまいます。
スタンスが狭く腰高で動くため、身体のバランスも取りづらくなります。
下半身を機能させるには、メディシンボールを投げ合うなどのトレーニングもありますが、シンプルにスクワットやランジをやるだけで変わります。
スクワットは、フォアハンドストロークでスクエアスタンスをとったときに腰が落ちるようになります。
膝と股関節を曲げて腰を落としながらスクエアスタンスをとることが目的なので、膝を45度くらい曲げるクォーター・スクワットでも効果は期待できます。(両膝は前に出さず、お尻を後ろに突き出すのがポイントです。)
腰を落とし、下半身を使ってボールを打つ感覚がわかります。
ランジは、フォアハンドストロークでオープンスタンス(セミオープンスタンス含む)をとったときに腰が落ちるようになります。(ローボレーを打つときにも役立ちます。)
ランジにはいろいろな種類がありますが、1番シンプルなフォワードランジをやるだけで変わります。
股関節が柔らかくなり、オープンスタンスをとったときに身体が沈むようになります。
右股関節を折り曲げ、左膝が地面に近づいていれば、身体が沈んでいる証拠です。
右足を上に伸ばす勢いで、ボールを打ちましょう。
ゲームや試合でフォアハンドを生かす3つのコツ
練習ではフォアハンドストロークが絶好調なのに、ゲームや試合ではうまく生かせない…
そんな場合は、こちらの3つを試してみてください。
- 「つなぐ・攻める」を判断する
- チャンスボールを練習する
- 球種を増やす
「つなぐ・攻める」を判断する
ゲームや試合でフォアハンドストロークを打つとき、つなぐボールなのか攻めるボールなのかを判断する必要があります。
- つなぐべきボールなのに無理して打ち込む
→自滅する確率が上がる - 攻めるべきボールなのにつないでしまう
→得点を奪うチャンスを失う
ゲームや試合で、フォアハンドストロークの「つなぐ・攻める」の判断はかなり重要です。
普段のテニスで、フォアバックどちらかに苦手があれば「フォア・バック」どちらで打つか判断する訓練が有効です。(スプリットステップ後、「フォア」もしくは「バック」と言ってから打つといいです。)
同じように、普段の練習で「つなぐ・攻める」の判断を鍛えておくと、ゲームや試合で生きてきます。
スプリットステップ後、「つなぐ」もしくは「攻める」と言ってからフォアハンドを打つだけで判断力は磨けます。
普段試合に出ている方は、練習中に変なミスをしません。
1球1球、「つなぐ・攻める」の判断ができているからです。
チャンスボールを練習する
ゲームや試合でコンスタントに勝つには、チャンスボールを確実に決められるよう練習しておく必要があります。
ジュニアなら、球出し練習でチャンスボールを打ち込む練習をしっかりやっているかもしれません。
ですが、大人の場合、普段ラリーやゲーム練習ばかりでチャンスボールを打ち込む機会がそんなにありません。
この状態だと、ゲーム中にチャンスボールが来ても、なかなか決められません。
自主練ができるとき、意識的にチャンスボールを打ち込む練習を行いましょう。
球種を増やす
このような場合、相手がこちらの打つボールに慣れてしまい、球種やコースを読まれている可能性があります。
フォアハンドストロークでは、つなぐか攻めるの判断が必要と言いましたが、これだけだといずれ相手に読ませてしまいます。
そこで、相手の予測やタイミングを外す意味でも、球種を増やすのがおすすめです。
スライスを混ぜるという方法もありますが、苦しいとき以外に攻撃しやすいフォアハンドでスライスを多用するのも微妙です。
ドロップショットを打てればいいですが、フォアハンドストロークとは違うタッチが必要になります。
そこでおすすめしたいのが、つなぐボールとは別にムーンボールを混ぜることです。
「薄い当たりでバリエーションを広げる」を実戦で活用します。
相手のペースを乱すことができ、予測を外せれば打ちにくくなります。
プロの試合を見ていても、激しいラリーの中、突如ムーンボールを入れて相手のペースを乱すときがあるかと思います。
単調になりがちなフォアハンドストロークに変化をつけやすいので、ぜひ取り入れてみてください。
フォアハンドストロークは、攻撃しやすく伸ばしやすいショットです。
すべてのコツを身につければ、フォアハンドストロークが得意ショットになっているはずです!