- テニスのライジングショットとは?メリットデメリットを元コーチが解説
- テニスのライジングショットの打ち方|実戦で活用する3つのポイント
テニスのライジングショットとは?メリットデメリットを元コーチが解説
ライジングショットを知るには、ボールを打つタイミングについて理解する必要があります。
ボールを打つタイミングは、下記のように分けられます。
- 【ノーバウンド】
- ノーバウンドで打つ代表はボレー。グランドストロークをノーバウンドで打つ「ダイレクトボレー」または「スイングボレー」もある。
- 【バウンド直後】
- バウンド直後はショートバウンドでの返球とも言う。ボールが深くて下がれないときに、守備的なショットとして使われる。
- 【バウンド後ボールが上がっている最中】
- このタイミングで打つことをライジングショットという。
- 【バウンド後ボールが1番弾んだところ】
- トップで打つともいう。一瞬ボールの上下動がなくなるためボールをとらえやすい。フラットドライブという厚い当たりでとらえるのが適している。
- 【バウンド後ボールが落ちていくところ】
- 通常のタイミング。力の入る打点まで落とせるので打ちやすい。
上記のとおり、バウンド後ボールが上がっている最中に打つのが
です。
バウンド後ボールが1番弾んだところで打ちやすいフラットドライブについては、下記の記事で解説しています。
ライジングショットとは?
繰り返しになりますが、テニスのライジングショットは、バウンド後ボールが上がっている最中に打つショット。
通常のグランドストロークでは、ボールがバウンドして頂点まで上がって落ちてから打つことが多いです。
そう考えると、ライジングショットは通常のグランドストロークよりだいぶ早いタイミングで打つことになります。
ボールがバウンドして上がっている最中に打つライジングショットは、他のタイミングと比べて非常に難易度の高いショットです。
ライジングショットのメリットとデメリット
通常のグランドストロークより早いタイミングで打つライジングショットのメリットとデメリットを解説します。
- 【相手の時間を奪える】
- →ポジションを上げて打て、相手にリカバリーする時間を与えない
- 【相手は判断しづらい】
- →テンポが早い分コースが読みにくい
- 【相手の力を利用できる】
- →相手の力を利用してショットの攻撃力を上げられる
- 【ボールに入るのが難しい】
- →相手のコースを読むため高い予測力が必要
- 【ボールをとらえるのが難しい】
- →タイミングを誤ればたちまちミスショットに
- 【自分の時間も奪われる】
- →カウンターショットをくらいやすい
ライジングショットを得意にしていた選手
プロテニス選手の試合を見ると、ここぞというタイミングでライジングショットを使い、主導権を握ったりウイナーをとっていますね。
ライジングショットを多用していた選手といえば、
が有名です。
2人のフォームはまったく違いますが、どちらもライジングショットを学ぶうえで大変参考になります。
ラケットを低くテイクバックする伊達公子さん⬇︎
ラケットを立てたところから打ち抜くアンドレ・アガシさん⬇︎
テニスのライジングショットの打ち方|実戦で活用する3つのポイント
本記事の後半では、ライジングショットを打つうえでおさえておきたいポイントを3つ紹介します。
相手の打つボールをできるかぎり早く予測する
ライジングショットを打つうえで、もっとも重要なのは
することです。
ボールを落として打つときと比べると、ライジングショットはポジションを前へとる必要があるので、その分より早くボールの後ろへ入らなければならないからです。
もちろん、コースだけでなくボールの弾道を読むことも必要です。
ボールがどこにバウンドして、どんなふうに弾むかが予測できないと、早いタイミングでボールをコンタクトさせるのは難しいでしょう。
ボールをコンタクトしやすい打ち方を採用する
また、フォームに違いがあっても、ライジングを得意としている選手には共通する点があります。
ボールをコンタクトしやすい打ち方を採用しているということ。
ボールをコンタクトしやすい打ち方は、下記の3つを満たしています。
- 【シンプルなテイクバック】
- 大きなループよりストレートに近いテイクバック。無駄な動きがないほうが早い準備がしやすい。ボールがバウンドする前にテイクバックを終了しておく。
- 【コンパクトなスイング】
- ライジングショットは相手の球威を利用できるので、必要以上の助走は不要。ただしショルダーターンはしっかりとる必要がある。ボールがバウンドする前にフォワードスイングを開始する。
- 【上下動をなるべく抑える】
- 上下動が激しいトップスピンではなく、厚い当たりのフラットドライブで打つ。また、スイング中の身体の上下動もミスの元。広いスタンスをとり、身体を安定させる。
他のタイミングがあってこそライジングショットが生きる
そして、最後に意識したいのが、他のタイミングがあってこそライジングショットが生きるということです。
現在、プロテニスプレーヤーがライジングショットを採用している方法ですね。
毎回ライジングショットを打とうとすれば、早いテンポとはいえ相手もそのタイミングに慣れてきます。
また、テンポが早くなる分、カウンターショットとなって返ってきやすいです。
苦しい状況でライジングショットを打てば、コントロールの精度が落ちて自滅してしまうこともあるでしょう。
全部のショットをライジングで打とうとしないことです。
打つときに攻めるのかつなぐのか判断するように、ライジングショットを使う場面を選ぶことも必要です。
ライジングショットで打てれば、他のタイミングで打つのは難しくありません。
ボールをコンタクトしやすい打ち方を覚えるのは、他のタイミングで打つときにもいい影響を与えます!