テニスの雁行陣の戦い方|元コーチがポジションと配球をわかりやすく解説

基礎知識
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テニスの雁行陣のポジションや配球がよくわからない…雁行陣の戦い方を教えてほしい。
そんなお悩みにお答えします。
【本記事の内容】
  1. テニスの雁行陣の戦い方|元コーチがポジションと配球をわかりやすく解説
  2. テニスで並行陣対雁行陣になったとき|雁行陣側がどう戦うか解説
書いている人
リョウジ

テニススクールの運営に10年携わる。(テニスコーチ・ストリンガー・フロント・事務など幅広く経験。)

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テニスの雁行陣の戦い方|元コーチがポジションと配球をわかりやすく解説

テニススクールで、最初に教わるダブルスのフォーメーション(陣形)が雁行陣。

雁行陣とは、1人がネット付近に立ち、もう1人がベースライン付近に立つフォーメーションのことです。

ネット付近に立つプレーヤーを「前衛」、ベースライン付近に立つプレーヤーを「後衛」といいます。

雁行陣は攻撃と守備のバランスがとれていて、ダブルスの基本といえるフォーメーションです。

ストロークが武器なら、プロレベルでもメインで使用できるフォーメーション。

それに対して、2人のプレーヤーがネット近くに立つ攻撃型のフォーメーションを

並行陣

といいます。(他にも、Iアイフォーメーションやオーストラリアンフォーメーションといった陣形もあります。)

さまざまなフォーメーションを使い分けることで、幅広い戦い方が可能になり、優位にゲームを進められるようになるでしょう。

雁行陣のポジション

雁行陣のポジションを、前衛と後衛に分けて解説します。

雁行陣の後衛のポジション

まずは、シンプルで覚えやすい雁行陣の後衛のポジションから見ていきます。

後衛は、シングルスサイドラインとベースラインが交差するところを目印にして立ちます。

クロスラリーをするときに、フォアとバックを均等に使える位置ですね。

よくストレートラリーをする位置に立っている人がいます。

デュースサイドでは、フォアハンドストロークで返球しやすいですが、ショートクロスを打たれたときに遠くて返球できなくなります。

また、自分がショートクロスへ打った場合は、ショートクロスに返ってきやすいので、普段よりポジションを外にとることをおすすめします。

雁行陣の前衛のポジション

次に、雁行陣の前衛のポジションを見ていきましょう。

前衛のポジションは、立ち位置と移動するタイミングを気にする必要があり、最初は覚えるのに苦労します。

味方の後衛がボールを打とうとしているとき、

前衛は「T」字付近まで下がり

守備を担当します。

センターラインとサービスラインが交差するところが、「T」字です。

相手の前衛が攻撃してきても返球できるように、

身体は相手の前衛

に向けておきましょう。

サイドステップで斜め後ろへ下がると、自然と身体は相手の前衛のほうへ向きます。

バックステップでコートの外へ下がってしまう間違いをよく見ます。

このポジションだとセンターが空いてしまい、守備として機能しません。

相手の前衛がボールを打たないことを確認できたら、

味方の後衛が打ったボールの方向へ

移動しましょう。

味方の後衛がクロスへボールを打ったのなら、

サービスコートの中央より1歩前

くらいまで詰めて、攻撃に転じます。

このポジションだと、味方の後衛が鋭角なクロスへ打ったとき、ストレートにやられてしまうのでは?

確かに、サービスコートの中央より1歩前のポジションだと、ストレートにやられてしまいますね。

でも、少しだけ外に寄って身体をボールのほうへ向けておけば十分です。

外に寄りすぎると、相手の後衛は何のプレッシャーもなくクロスへ打ててしまいます。

雁行陣の前衛はボールと同じ方向へ動けばOKですが、前後に移動するタイミングに気をつけましょう!

最初は、頭でわかっていても、なかなか身体がついていかないかもしれません。

実際に雁行陣をとってポジションの移動を繰り返すことで、自然と身体が覚えてくれます。

相手の前衛がスマッシュを打つときのポジショニングは、本記事の後半で解説ししています。

雁行陣の配球

雁行陣の配球を、前衛と後衛に分けて解説します。

雁行陣の後衛の配球

雁行陣の後衛は、クロスへ返球するのが基本です。

でも、クロスに打つと相手の前衛にポーチされてしまう…

そうなんです。

クロスにしか打たないことがわかれば、相手前衛は容易にポーチに出られます。

クロスを基本にしつつ、配球にバリエーションを持たすことで、相手がリズムよく打てないようにしましょう。

下記の配球を混ぜるといいです。

  • ストレートアタック
  • ストレートロブ
  • クロスロブ(もしくはムーンボール)

特に、ストレートアタックは早い段階で仕掛けておくと、相手の前衛はポーチに行きづらくなります。

「ストレートアタック」とは、相手コートのストレート側(つまり相手の前衛側)に向かって打ち込む攻撃的なショットのことです。

ベースライン後方からストレートアタックを打っても効果は薄いので、コートの中でボールを打てるときに使いましょう。

ストレートロブは、相手の陣形を崩すことができるショットですね。

それに伴い、ロブを上げた側もポジションや配球を変える必要があります。

クロスへ打つときも、弾道やスピードに変化をつけるといいですよ!

雁行陣の前衛の配球

雁行陣の前衛は、つなぐときは相手の後衛へ、攻撃するときは相手の前衛を狙うのが基本的な戦術です。

つなぐときって、どんなときなの?

例えば、下記の状態では攻撃しづらいので相手の後衛へつなぐといいですね。

  • 足元へボールが来て、ローボレーを打たされたとき
  • 下がりながらバックのハイボレーを打たされたとき
  • 相手の前衛が攻撃してきたボールを返球するとき
相手の後衛へボールを送ったら、すぐに攻撃のポジションへ戻り、次のボールに備えるのを忘れずに!

ストレート雁行陣

どちらかの後衛がストレートロブを上げて抜けると、

ストレート雁行陣

になります。

このときのポジションと配球を見てみましょう。

ストレート雁行陣の後衛

ストレート雁行陣になったときの後衛は、半面のベースラインの中央付近に立ち、ストレートに配球するのが基本になりますね。

通常の雁行陣に戻したければ、クロスへロブを上げます。

ストレート雁行陣の前衛

雁行陣の前衛は、ボールと同じ方向へ動けばOKです。

センターライン上を前後に動くことになります。

味方の後衛がボールを打つときは、「T」字付近に立ち、相手の前衛に身体を向けます。

相手の前衛がボールを打たないことを確認できたら、センターラインに沿って前へ移動します。

身体は相手の後衛へ向けるのを忘れずに!

ストレートロブが抜けたら、前衛はこの前後の動きに切り替えましょう。

ストレートロブを打たれてポジションチェンジするとき、前衛は下がりながら「T」字付近のセンターを守ることを忘れないようにしましょう!

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テニスで並行陣対雁行陣になったとき|雁行陣側がどう戦うか解説

相手が並行陣になって、「並行陣 対 雁行陣」になったときはどうしたらいい?

本記事の後半は、並行陣も絡んだ応用編です。

下記の3つを中心に解説していきますね。

  1. 雁行陣の前衛の基本ポジション
  2. 雁行陣の後衛の配球と前衛の動き
  3. ロブの後の展開

雁行陣の前衛の基本ポジション

雁行陣の後衛のポジションは、「雁行陣 対 雁行陣」のときと変わりません。

ただし、打った後にボールが返ってくるのが早いので、すぐに構え直すようにしましょう。

問題は、雁行陣の前衛のポジションです。

「雁行陣 対 雁行陣」のときは、前後にポジションを移動していましたが、相手が並行陣になったときは、

「T」字付近が基本ポジション

になります。

つまり、基本は守備ということです。

雁行陣の後衛が打つときは、並行陣の前衛に攻撃される可能性があります。

雁行陣の前衛は、並行陣の前衛のほうへ身体を向けておきましょう。(ここは、「雁行陣 対 雁行陣」と変わらないですね。)

ただ、状況によってポジションや身体の向きを変える必要があります。(後の章で解説します。)

ちなみに、並行陣側の前衛はサービスコートの中央辺りが基本ポジションになります。

つまり、基本は攻撃ということですね。

こちらも、状況によりポジションを変えて「T」字付近を守ることがあります。

雁行陣の後衛の配球と前衛の動き

さて、相手が並行陣になることで、雁行陣の後衛はどう配球していくかと前衛の動きを見ていきましょう。

基本は並行陣の後衛の足元へ配球

基本的には、並行陣の後衛の足元へ配球しましょう。

並行陣の後衛にローボレーやハーフボレーを打たすことができれば、打ったボールは浮きやすくなります。

並行陣側の後衛がローボレーやハーフボレーを打とうとしているとき、雁行陣側の前衛は1歩前に詰めて構えます。

ボールが浮いたらポーチのチャンスなので、そこから斜め前に詰めながらセンターへ攻撃しましょう。

ただし、並行陣側の後衛がローボレーやハーフボレーを打つ前に詰めすぎると、ロブボレーを頭上に打たれてしまいます。

また、センターに詰めすぎると、ストレートに流されたりします。

味方の後衛が並行陣の後衛の足元へ配球できたら、1歩前へ詰めてポーチを狙いましょう!

並行陣の後衛にハイボレーを打たれたとき

並行陣の後衛の足元を狙っても、ボールが浮いてしまうこともあります。

並行陣の後衛がハイボレーの用意をしたら、雁行側の前衛は身体を並行陣の後衛へ向けて、自分が立っている半面を守りましょう。

雁行陣の後衛が外へボールを打ったときは、ストレートをケアできるポジションへ移動してなんとかボールを返球しましょう。

並行陣の前衛にストレートアタックしたとき

基本といっても、雁行陣の後衛が並行陣の後衛の足元ばかりに配球していると、コースを読まれてしまいます。

コースが読まれていると、並行陣側はボールを予測でき、前衛・後衛ともに攻撃しやすくなります。

そうならないためにも、配球にバリエーションを持たせて相手がリズムよく打てないようにしましょう。(これは相手が雁行陣のときと同じですね。)

並行陣の前衛のポーチをけん制するストレートアタック、相手の陣形を崩すストレートロブ、並行陣側の後衛が詰めていたらクロスロブも選択肢に入れるといいですね。

雁行陣の後衛がストレートアタックをしたとき、雁行陣の前衛は基本ポジションの「T」字付近をしっかり守っておきましょう。

返球できるなら、後ろにいる並行陣の後衛へ配球できるといいですね。

ストレートロブの後の展開

雁行陣側の後衛がストレートロブを上げたとき、

どちらのプレーヤーが返球するのか

そして

何のショットを使うのか

で雁行陣側のポジションは変わってきます。

下記の4パターンに分けて解説します。

  1. 並行陣側がスマッシュで返球
  2. 並行陣の前衛がバックのハイボレーで返球
  3. 並行陣の後衛がボレーで返球
  4. 並行陣の後衛がストロークで返球

本記事では、雁行陣側の後衛がベースラインにステイする場合、もしくは様子を見てからネットへ詰める場合を想定しています。

「並行陣の後衛がボレーで返球」する場合以外は、「雁行陣 対 雁行陣」でストレートロブを上げた場合と同じ動きになります。

並行陣側がスマッシュで返球

並行陣側(前衛・後衛どちらでも)がスマッシュで返球できる場合、雁行陣の前衛は「T」字付近にいては危険です。

雁行陣の前衛は、センターを守りつつ、なるべく後ろへ下がりましょう。

並行陣側のスマッシュをなんとか返球できればラッキーです。

並行陣の前衛がスマッシュではなくフォアのハイボレーで返球する場合は、1〜2歩くらい下がれば十分です。

並行陣の前衛がバックのハイボレーで返球

並行陣の前衛がバックのハイボレーで返球する場合、攻撃的なショットは打ちにくいので雁行陣の後衛へつなぐはずです。

雁行陣の前衛は、「T」字付近で構えつつ、ポーチを狙いましょう。

並行陣の後衛がボレーで返球

次に、並行陣の後衛がボレーで返球する場合です。

並行陣の後衛がボレーで返球する場合は、並行陣の前衛とポジションチェンジが起こっています。

並行陣の後衛は、かなり下がったところから雁行陣の後衛へつなぐはずです。

雁行陣の前衛は、センターラインに沿って1歩前へ詰めて、ポーチを狙いましょう。

並行陣の後衛がストロークで返球

並行陣の後衛が、ボールをワンバウンドさせてからストロークで返球する場合です。

雁行陣の前衛は、センターラインに沿って前へ詰めましょう。

並行陣の後衛が、雁行陣の後衛へつなぐようならポーチを狙います。

以上、テニスの雁行陣についてでした。

「雁行陣 対 雁行陣」の場合は、ポジションや配球がある程度決まっているので、練習しながら身体で覚えていきばOKです。

相手が並行陣になるとポジションや配球が難しくなりますが、本記事で戦い方を理解しておくといいでしょう。

自分がどう動けばよかったのかがわかれば、練習の中で少しずつ改善できるはずです!

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