- テニスのダブルス|前衛と後衛それぞれの役割|目指すべきプレーとは
- テニスの前衛後衛|2人のコンビネーションが試されるチェンジの仕方
テニスのダブルス|前衛と後衛それぞれの役割|目指すべきプレーとは
シングルスと違って、ダブルスは2人で戦うスポーツです。
2人で役割分担を行い、互いのポジションをカバーし合い、2人で協力しながら配球する必要があります。
本記事前半では、下記の3つを解説します。
- 前衛と後衛それぞれの役割
- 前衛の目指すべきプレー
- 後衛の目指すべきプレー
前衛と後衛それぞれの役割
ダブルスの前衛の役割は、ネット近くにポジションをとっていることを利用して、攻撃を仕掛けること。
ネット近くで打てるので、相手コートを広範囲に狙えます。
それに対して、ダブルスの後衛の役割は、前衛が攻撃を仕掛けられるようにボールを配球すること。
深く打って相手後衛のポジションを下げたり、センターに打って角度を付けづらくすることで味方の前衛にチャンスを作ります。
しかし、相手ペアも同じことを考えているので、なかなかうまくいきません。
前衛と後衛が協力してポイントを取得する。
もしくは、相手ペアの攻撃を2人で助け合いながら阻止する。
そのために、どんなプレーをしたらいいのか整理してみます。
前衛の目指すべきプレー
前衛はなかなかボールに触れないかもしれませんが、攻撃する以外にもやるべきことがあります。
下記の3つを行い、前衛の役割を果たしましょう。
- 相手の後衛を邪魔する
- 味方の後衛に「お願い」を言う
- 味方の後衛をカバーする
相手の後衛を邪魔する
前衛は、攻撃できなくても相手の後衛が気持ちよく打てないようにしましょう。
例えば、ポーチするフェイントをかけたり、ポジションを変えたり…
相手の後衛に目障りだと思われれば、大出来です。
味方の後衛に「お願い」を言う
ストレートロブが頭上に来たときなど、前衛がとるのかとらないのかわかりづらい場面があります。
前衛はボールをとるのかとらないのか、はっきりと後衛に伝えましょう。
- 【ボールをとるとき】
- 「はい！」と言って打つ
- 【ボールをとれないとき】
- 「お願い！」と言ってサイドチェンジする
前衛が後衛にとるのかとらないのかを伝えないと、2人でボールを追ってしまったり、誰もボールを追わないなんてことが起こってしまいます。
いわゆるお見合いですね。
味方の後衛をカバーする
前衛は、攻撃するだけが仕事ではありません。
味方の後衛の状況を見て、カバーに回る必要があります。
2人の間にスペースができることが多いので、コート中央の「T」字付近に立ってセンターケアをします。
また、味方の後衛が打つボールによって、前後にポジションを変えることも頭に入れておきましょう。
例えば、味方の後衛がストレートロブを上げたら、スマッシュを打たれるかもしれません。
そんな場合は、センターを守りつつポジションを下げる必要があります。
後衛の目指すべきプレー
後衛は、相手の後衛へ配球することが多いですが、それだけだと相手の前衛はやりたい放題です。
下記の3つを行い、後衛の役割を果たしましょう。
- 相手の前衛の動きを封じる
- 味方の前衛にチャンスを作る
- 相手の陣形を崩す
相手の前衛の動きを封じる
後衛は、相手の前衛の動きを封じましょう。
相手の後衛へ配球するだけだと、相手の前衛はボールを予測しやすく、気持ちよくポーチに出られてしまいます。
ストレートアタックやロブを混ぜることで、相手の前衛が予測しづらい状況を作れます。
相手の後衛に打つにしても、高弾道のムーンボールを使ったり、低弾道のスピードボールを使い、一定のリズムにならないように工夫しましょう。
味方の前衛にチャンスを作る
相手の前衛をかわしつつ、味方の前衛にチャンスを作るのが後衛の仕事です。
味方の前衛にチャンスを作るには、
を意識して配球しましょう。
深いボールを打てれば、相手の後衛はポジションを下げることになり、味方の前衛は反応しやすくなります。
鋭角なクロスよりセンターへ配球したほうが、相手の後衛は角度をつけづらくなり、味方の前衛はポーチしやすくなります。
後衛が打つボールのスピードも大切です。
後衛の打つボールが速すぎると、味方の前衛がそのスピードについていけないこともあります。
味方の前衛が動きやすいスピードまで抑えることも、後衛の仕事です。
相手の陣形を崩す
後衛は、相手の陣形を崩すことで自分たちにチャンスを作ることができます。
特に、相手ペアが攻撃を仕掛けようとしているときは、ポジションが上がり、守備にスキができやすいです。
そんなときにストレートロブを上げると、容易に前衛の頭上を抜け、サイドチェンジを誘えます。
サイドチェンジ直後のボールは甘くなりやすいので、味方の前衛にチャンスを作れます。
テニスの前衛後衛|2人のコンビネーションが試されるチェンジの仕方
相手ペアに陣形を崩されてサイドチェンジするとき、前衛と後衛のコンビネーションがうまくいかないとその隙をつかれてやられてしまいます。
本記事の後半では、サイドチェンジが必要な3つの場面で前衛と後衛のやるべきことをまとめました。
雁行陣|ストレートロブが前衛を抜けたときの対応
雁行陣をとり、相手の後衛がストレートロブを上げたときの対応です。
後衛にロブの返球をお願いするとき、前衛のやるべきことは下記のとおり。
- 後衛に「お願い！」を言う
- サービスライン付近まで下がりながらチェンジ
前衛は、サイドチェンジしつつコート中央の「T」字付近でセンターを守るようにします。
サイドチェンジするだけで下がらないと、相手の前衛のボレーを至近距離から食らうことになるので気をつけましょう。
チェンジ後、後衛がロブで返球したとき、相手の前衛にスマッシュを打たれそうなら、さらに下がるようにします。
後衛は、クロスにロブを上げる選択肢もありますが、基本的には相手の後衛がいるストレートへ返球するのが基本です。
並行陣|ストレートロブが前衛を抜けたときの対応|後衛がノーバウンドで返球
次は、並行陣のサイドチェンジを見てみましょう。
相手の後衛が打ったストレートロブが、前衛を抜けたときです。
後衛にロブの返球をお願いするとき、前衛のやるべきことは雁行陣のときと同じです。
- 後衛に「お願い！」を言う
- サービスライン付近まで下がってサイドチェンジ
後衛がノーバウンドで返球する場合、前衛と後衛の役割をスイッチして並行陣を維持します。
↓
後衛は、相手の後衛へ返球し並行陣の前衛へスイッチ。
前衛は、サービスライン付近まで下がり並行陣の後衛へスイッチします。
並行陣|ストレートロブが前衛を抜けたときの対応|後衛がワンバウンドで返球
同じく並行陣でのサイドチェンジです。
今度は、相手の後衛が打ったストレートロブが前衛を抜けて、味方の後衛がワンバウンドで返球するときです。
繰り返しになりますが、後衛にロブの返球をお願いするとき、前衛のやるべきことは他と同じです。
- 後衛に「お願い！」を言う
- サービスライン付近まで下がってサイドチェンジ
味方の後衛がワンバウンドで返球するときは、並行陣から雁行陣に切り替わるので、守りを固める必要があります。
前衛はサイドチェンジしつつ、コート中央の「T」字付近を守ります。
後衛は、ボールを追いかけ、ワンバウンドさせたボールを返球します。
ベースラインより後方へ下がることになるでしょう。
かなり追い込まれた状態ですが、ワンバウンドさせたからにはしっかり時間を作り、落ち着いて相手の後衛へ返球しましょう。
ダブルスは、2人で協力して戦うため、シングルスより複雑です。
それでも、本記事で解説した前衛と後衛の役割とサイドチェンジの仕方を覚えると、だいぶダブルスらしくなります。
ぜひチャレンジしてみてください！
