と思っている方から、
と思っている方まで対応した「テニスの前衛」を攻略するページです。
- 前衛のポジション:雁行陣と並行陣
- 前衛の動き方:身体の向きとフットワークをセットで考える
- 前衛の配球:つなぐか攻めるかの判断が大事
- 前衛の役割:打つ以外にやるべきこと
- 前衛のポーチ:ダブルスの決定打を手に入れる
- 前衛の練習方法:素振りでフットワークを自動化する
前衛のポジション:雁行陣と並行陣
前衛のポジションは、陣形(フォーメーション)によって違います。
ここでは、よく使う陣形のポジションを解説します。
- 雁行陣
- 並行陣
雁行陣がんこうじん
テニススクールで、最初に教わるダブルスの陣形が雁行陣。
雁行陣とは、1人がネット付近に立ち、もう1人がベースライン付近に立つフォーメーションのことです。
ネット付近に立つプレーヤーを「前衛」、ベースライン付近に立つプレーヤーを「後衛」といいます。
雁行陣は攻撃と守備のバランスがとれていて、ダブルスの基本といえるフォーメーションです。
味方の後衛がボールを打とうとしているとき、
守備を担当します。
センターラインとサービスラインが交差するところが、「T」字です。
相手の前衛がボールを打たないことを確認できたら、
移動しましょう。
味方の後衛がクロスへボールを打ったのなら、
くらいまで詰めて、攻撃に転じます。
相手の後衛の打ったボールを触れなければ、また「T」字付近まで下がって、守備を担当します。
並行陣へいこうじん
並行陣とは、2人のプレーヤーが横に並ぶように立つ陣形のことです。
2人ともネットプレーで戦う並行陣は、相手の時間を奪うことができ、広範囲にボールをコントロールできる攻撃的な陣形。
ただ、雁行陣以上にポジションが大事になってきます。
ネット際に立つ並行陣ですが、2人が完全に横に並んでいるわけではありません。
と
がいて、小さな雁行陣をとっています。
主に攻撃を担当する前衛は、雁行陣のときよりは少し後ろへポジションをとるといいですね。
理由は、頭上に上がったボールをある程度自分で返球しなければいけないからです。
ダブルスのポジションと陣形については、下の記事で詳しく解説しています。
前衛の動き方:身体の向きとフットワークをセットで考える
雁行陣の前衛は、攻撃と守備のポジションを覚えるだけではなく、移動の仕方を知っておく必要があります。
下記の3つに注目して、攻撃と守備のポジションを行き来しましょう。
- 身体の向き
- 移動の仕方
- 移動するタイミング
まず、「前衛の身体の向き」です。
攻撃のポジションと守備のポジションでは、下記のように変わります。
- 【攻撃のポジション】
- 相手の後衛に身体を向ける
- 【守備のポジション】
- 相手の前衛に身体を向ける
攻撃のポジション⬇︎
守備のポジション⬇︎
これからボールを打つ、もしくは打つかもしれないプレーヤーのほうへ身体を向け、反応できるようにします。
次に、「前衛の移動の仕方」です。
- 【守備から攻撃のポジションへ】
- フォワードステップで前進
- 【攻撃から守備のポジションへ】
- サイドステップで後退
フォワードステップは、相手の後衛へ身体を向けたまま普通に前進すればいいですね。
下がるときは、サイドステップを使うことで相手の前衛に身体を向けつつ、コート中央へ移動することができます。
最後に、「前衛の移動するタイミング」です。
- 【守備から攻撃のポジションへ】
- 相手の前衛がボールに触らないとわかったら
- 【攻撃から守備のポジションへ】
- 自分がボールに触れないとわかったら
⇅
どちらも素早く移動しないと、攻撃や守備のタイミングを逃してしまいます。
攻撃と守備のポジションで気をつけることや並行陣の動き方については、下記事で解説しています。
前衛の配球:つなぐか攻めるかの判断が大事
雁行陣でも並行陣でも、つなぐか攻めるかの判断が大事です。
- 【つなぐとき】
- →相手の後衛へ
- 【攻めるとき】
- →相手の前衛へ
下記のような状況では、相手の後衛へつなぎましょう。
- 足元やネットスレスレでボレーするとき
- ネットから離れてボレーするとき
- 姿勢を崩してボレーするとき
下記のような状況では、相手の前衛へ攻めましょう。
- いい姿勢でスマッシュやハイボレーが打てるとき
- ネットに詰めて打てるとき
前衛の役割:打つ以外にやるべきこと
確かにそうなのですが、攻撃を仕掛ける以外にもやるべきことがあります。
- 相手の後衛を邪魔する
- 味方の後衛に「お願い」を言う
- 味方の後衛をカバーする
相手の後衛を邪魔する
前衛は、攻撃できなくても相手の後衛が気持ちよく打てないようにしましょう。
- ポーチするフェイントをかける
- ポジションを変えて相手後衛の打つコースを狭める
味方の後衛に「お願い」を言う
ストレートロブが頭上に来たとき 、前衛はボールをとるのかとらないのか、はっきりと後衛に伝えます。
- 【ボールをとるとき】
- 「はい!」と言って打つ
- 【ボールをとれないとき】
- 「お願い!」と言ってサイドチェンジする
前衛が後衛にとるのかとらないのかを伝えないと、2人でボールを追ってしまったり、誰もボールを追わないなんてことが起こってしまいます。
味方の後衛をカバーする
前衛は、味方の後衛の状況を見て、カバーに回る必要があります。
2人の間にスペースができることが多いので、コート中央の「T」字付近に立ってセンターケアをします。
また、味方の後衛が打つボールによって、前後にポジションを変えることも頭に入れておきましょう。
例えば、味方の後衛がストレートロブを上げたら、スマッシュを打たれるかもしれません。
そんな場合は、センターを守りつつポジションを下げる必要があります。
前衛と後衛の役割、サイドチェンジについては、下記事で解説しています。
前衛のポーチ:ダブルスの決定打を手に入れる
ポーチとは、後衛同士のクロスラリーに前衛が割って入るボレーのことです。
ポーチが打てると、後衛同士で打ち合うよりポイントがとりやすくなります。
しかし、ポーチをする目的はそれだけではありません。
ポーチに出ることで、相手後衛の打つコースを狭めてプレッシャーをかけることができるのです。
なので、ポーチの失敗を恐れて前衛がボールに手を出さないと、決定打がないばかりか相手の後衛にグランドストロークを気持ちよくクロスに打たせてしまいます。
下記を意識すると、ポーチがしやすくなります。
- ポーチしやすい場面
- ポーチしやすい出方
- どこを狙いどのように打つか
ポーチしやすい場面
雁行陣同士であれば、味方の後衛が打ったボールや相手の後衛がどのように返球しそうかが判断材料です。
ポーチがしやすい場面を知っていれば、ポーチに行きやすくなるのでおさえておきましょう。
ボールがセンターへ抜けたとき
味方の後衛が打ったボールがセンターへ抜けると、ポーチがしやすい場面になります。
⬆︎前衛のアレー側のコースが狭まる
⬆︎ストレートケアする必要あり
難点は、味方の後衛が相手の前衛をかわしてセンターにボールを通さないといけないことです。
ただ、サーブなら相手の前衛に邪魔されることはありません。
サーブがセンターへ入ったときは、ポーチを狙うチャンスです。
相手後衛の状態
ボールだけではなく、相手の後衛がどのように返球するかを予測できるとポーチしやすい場面が見えてきます。
前衛の役割の1つは、簡単にストレートへ抜かれないこと。
ストレートを狙われるリスクがなければ、ポーチに出るチャンスです。
相手の後衛がなんとかクロスに返すような場面では、積極的にポーチを狙えます。
ポーチしやすい出方
ポーチしやすくするには、出方も大切です。
上手な方のポーチの出方を観察すると、ボレーする前にネットへ近づきセンターよりにポジションを移動しているのがわかります。
同じ「スプリットステップ→軸足を出す→踏み込みながらボレー」でも、スタートのポジションが違うだけでポーチのしやすさが圧倒的に変わります。
ただ、ポジションの移動が早いと、ストレートやロブで抜かれてしまいます。
ネットへ近づきセンターよりにポジションをとるのは、ギリギリのタイミングで行います。
相手の後衛が、フォワードスイングに入ったところで移動します。
このタイミングなら、相手の後衛はコース変更するのが難しくなります。
どこを狙いどのように打つか
もし、ポーチのコースを1つに絞るとしたら「センター」、サービスラインとセンターラインが交差する辺りを狙いましょう。
このコースは、相手の前衛がセンターケアをしていれば、足元を狙うことになります。
ボールが返ってきても、構えていればもう一度チャンスがやってきます。
また、コースが多少ズレてもアウトしづらいというメリットもあります。
打ち方については、この1点に気をつけましょう。
大きく前進しながらボレーするだけで、ボールに十分な威力を出せます。
この状態でラケットを振れば、余計な動作になります。
ポーチについては、下記の記事で詳しく解説しています。
前衛の練習方法:素振りでフットワークを自動化する
雁行陣の前衛で練習しておきたいのは、下記2つのフットワークです。
- ポジションの移動
- ネットに詰めてボレー
ボールを打たず、素振りでフットワークを自動化しておくとスムーズに動けるようになります。
ポジションの移動を自動化
ポジションを移動するときは、身体がどの方向を向くべきかを考えるとフットワークが決まります。
- 【相手の後衛を向きながら前進】
- →フォワードステップ
- 【相手の前衛を向きながら後退】
- →サイドステップ
ネットに詰めてボレーを自動化
ボレーするときは、下記のフットワークでしたね。
- スプリットステップ
- ラケットセットしながら軸足を出す
- 足を踏み込みながら打つ
上記のフットワークを使って、なるべくネットの近くでボレーが打てるように素振りしてみましょう。
↓
軸足は小さく出して、身体を前傾させます。
ラケットは、身体の前にセットしておきます。
2歩目の踏み込みは大きく出して、身体のバランスをとりながらネット近くでボレーします。
ボレーした後、すぐに構えて次の1打に備えるところまで練習しておくと、実戦で生きてきます。