- テニスが上手くなるには?ショットと練習内容を絞ることが必要
- テニスが上手くなるポイント|ストローク・ボレー・オーバーヘッド
テニスが上手くなるには?ショットと練習内容を絞ることが必要
大前提として、テニスが上手くなるには、
が必要で、その過程もしくは停滞したときには
が求められます。
それは、プロテニスプレーヤーレベルでもわたしたちでも同じかと思います。
本記事の前半では「反復練習」について、後半では「動きの改善」についてお話ししたいと思います。
テニススクールだけだとなかなか変わらない
テニススクールで週1回テニスに通う場合でも、少しずつテニスは上手くなります。
でも、何年か経つとテニスに上達を感じられないときがやってきます。
テニススクールの場合、1年を通していろいろなショットを練習しますが、練習量としては何もかもが中途半端になりがちです。
例えば、サーブならサーブ練習を少しして、ゲームで少しだけ打つ。
これを繰り返しただけでは、なかなかサーブがよくなりません。
ちょっと打ち方を変えたとしても、身体に馴染むほどの練習時間はなく、テニスが上手くなるきっかけにはなかなかなりません。
「上手くなりたいショット」と「どう上手くなりたいか」を明確にしよう
まず、総合的に上手くなるのはあきらめましょう。
わたしたちがテニスできる時間は限られています。
プロテニスプレーヤーのように、1日中テニスと向き合っている環境なら可能かもしれませんが…
テニスが上手くなる意味は、人それぞれ違います。
あなたにとって、どのショットがどのように打てると「テニスが上手くなる」と言えるのか考えてみてください。
もし、「上手くなりたいショット」と「どう上手くなりたいか」が明確になったら、そのための練習を徹底的に反復しましょう。
「上手くなりたいショット」と「どう上手くなりたいか」が、それぞれ1つずつでなくてもかまいません。
そのときは、優先順位の高いものから1つずつ取り組めばいいだけです。
上手くなるための練習方法
「上手くなりたいショット」が決まったら、「どう上手くなりたいか」を考えてみます。
本記事では、下記の場合の練習方法を考えてみます。
- 球威を上げたい
- フォームをきれいにしたい
- コントロールをよくしたい
- ラリーがつながるようになりたい
- ゲームでショットの判断力を上げたい
球威を上げたい
球威を上げたいと思ったら、
ですね。
あなたにとって都合のいいボールで練習できるので、ラケットを通してボールに力を注ぐことに集中できます。
球出し練習する環境がなければ、
を使う方法があります。
自分で球出しして、1回打ったら止めます。
球威を上げる目的ならラリーをするのではなく、一打をしっかり打ち抜くようにしましょう。
これを繰り返せば、コートでの球出し練習に近いことはできます。
球出し練習を継続できれば、力の伝え方がスムーズになっていくことに気づくはずです。
フォームをきれいにしたい
フォームをきれいにしたい場合も、自分のペースで打てる
がいいですね。
こちらも、球出し練習する環境がなければ、
を使います。
フォームをきれいにしたい場合は、真後ろと真横(身体の正面が見える側)からスマホ撮影をしてみましょう。
携帯しやすいスマホ三脚(ラケットケースに入ります)⬇︎
車で持ち運ぶなら、風の影響を受けにくいしっかりした三脚がおすすめ⬇︎
スマホ撮影用のアダプター⬇︎
わたしは、Googleフォト(Googleアカウントに付属する15GBの無料ストレージを利用できます)に動画を保存しています。
コントロールをよくしたい
コントロールをよくするのも、最初は
がいいですね。
動きながらコントロールする練習(例えば左右に動きながら打つ振り回しなど)は難易度が高いので、まずは簡単なボールでコントロールできるように反復練習しましょう。
ターゲットを用意するなら、コーンよりエリアを作るのがおすすめです。
ボールをコントロールしながら再現性の高いスイングが身につけば、自然と精度が上がっていきます。
コントロール練習は、テニスコートじゃないと難しいです。
壁打ちの場合、壁にターゲットを設置してネット上のどの位置を通すかは練習できますが、コートのどこに落ちたかはわかりませんので…
ラリーがつながるようになりたい
そんな方は、ラリー練習する時間を増やすしかありません。
ラリー練習するクラスがあったり、ラリーする相手がいればいいですが、そうでない場合は
というサービスを利用しましょう。
わたし自身、2年以上お世話になった時期があります。(おかげさまでグランドストロークが安定しました。)
30分だけでも、1対1で休みなく集中して打ち合えば、けっこうな打数になります。
ヒッティングパートナーのサービスがなくても、プライベートレッスンでラリー練習をリクエストすることもできます。
ラリーでは、球出しと同じように打てない場面が多々あります。
グランドストロークなら動きながら打ったり、ボレーだったら足を引きながら打つ場面だったり…
そういった応用動作を、ラリーをしながら身につけていくとラリーが途切れなくなります。
ゲームでショットの判断力を上げたい
ゲームになると、練習のように打てなくなる生徒さんは多いです。
ゲームでショットの判断力を上げたいなら、やはりゲームの経験値を上げる必要があります。
ゲーム中は、下記のように「どのショットを使ってどのように打つか」を判断しなければいけません。
- フォアで回り込む?それともバックで打つ?
- コースはクロスに打つべき?それともストレート?
- この1打はつないだほうがいい?それとも攻めるべき?
練習のときからこのような判断を訓練しておくといいのですが、普段ゲームをしていない方にはこのシュミレーションはしづらいかと思います。
ゲームをたくさんする中で、ポイントをたくさん失い、悔しい思いをいっぱいすることで、下記のことを考えるようになるでしょう。
↓
↓
そうなっていくと、1ポイントの重み、1打の重みを感じるようになり、シチュエーションに合わせてより適切な判断ができるようになっていきます。
テニスが上手くなるポイント|ストローク・ボレー・オーバーヘッド
ジュニアのように、長い時間(例えば5年)をかけてテニスを上手くする場合は、反復練習と合わせて「動きの改善」を入れていく必要があります。
テニスが上手くなるチェックポイント
テニスが上手くなるチェックポイントを、下記の3つに分けて解説します。
- グランドストローク
- ボレー
- オーバーヘッド
グランドストロークのチェックポイント
グランドストロークについては、下記を見直してみましょう。
- グリップ
- スタンス
- ターン
- テイクバック
- フィニッシュ
グリップの握り方と打点の位置やスイングがマッチしているか確認しましょう。
もし、マッチしていない場合、
もしくは
のどちらかを合わせたほうがいいでしょう。
グランドストロークでは、どのスタンスでも打てる必要がありますが、スイングの改善に役立つこともあります。
スタンスを変えると、スイング方向も変化します。
クローズドスタンスをとると、身体は回しにくくなりますが、今までより身体のターンやテイクバックが深くなりやすいです。
逆に、オープンスタンスで打つと、積極的に身体を回す動きを引き出しやすいです。
厚いグリップなのに、身体の回転が足りていない方におすすめのスタンスです。
もしくは
そんな場合は、ターンの仕方に問題があったりします。
軸足を移動したい方向に出しながら、骨盤より上をターンさせる動きが素早くできているか確認してみましょう。
テイクバックを改善したい場合は、完了したときの形から打つ練習をして、その形を叩き込むことからスタートしましょう。
テイクバック完了の形を身につけてから、テイクバックの経路を覚えればOKです。
フィニッシュの形も、動きを見直すポイントの1つです。
テイクバックが完了した形とフィニッシュの形が整えば、それをつなげたものがスイングになります。
ボレーのチェックポイント
ボレーについては、下記を見直してみましょう。
- グリップ
- ターン
- ラケットセット
- フォロースルー
ボレーのグリップはコンチネンタルグリップが基本ですが、ラケットと前腕に「くの字」を作ることが大切です。
ここは、グランドストロークとはっきり使い分けるポイントになります。
通常のガングリップ(人差し指と中指が離れる握り方)でも手首を橈屈(親指側に曲げる)すれば、ラケットと前腕に「くの字」は作れます。(コックするとも言いますね。)
ただ、橈屈は正常でも25度程度しか曲がらず、うまくできない方もいるかと思います。
ボレーでラケットと前腕に「くの字」を作れない方は、最初から「くの字」を作れるハンマーグリップ(人差し指と中指がくっつく)を採用するのも1つの手です。
上体が正面を向いてボレーしている方は、軸足の股関節を折り曲げてターンする動作を強化しましょう。
フォアボレーが得意でバックボレーが苦手なら、バックボレーのターンができているかチェックするべきです。
ラケットセットも、グランドストロークの影響で肘が曲がってしまう方が多いです。
ラケットと前腕に「くの字」を作るのが前提ですが、肘を伸ばし気味(完全に伸びきらなくてOK)にしてラケットセットしましょう。
ボレーのフォロースルーの大きさはケースバイケースですが、グリップエンドが先行してラケットフェイスが上を向いて終わるようにします。
ラケットヘッドがグリップエンドを追い越してしまい、ラケットフェイスを被せないように気をつけましょう。(こちらもストロークと使い分ける必要があります。)
オーバーヘッドのチェックポイント
オーバーヘッド(スマッシュ・サーブ)については、下記を見直してみましょう。
- グリップ
- スタンス
- トス
- 体重移動
- プロネーション
- ボールの当て方
スマッシュやサーブの打ち方は、コンチネンタルグリップが前提の場合が多いです。
もし、グリップがイースタングリップなら、まったく違う打点とスイングになります。
グリップをコンチネンタルグリップに修正するかイースタングリップの打ち方を別途知る必要があります。(長い目で見るなら、コンチネンタルグリップがおすすめ。)
もちろん、グリップの握りを変えても、それに合った打点とスイングを身につけなければ意味がありません。
グリップと連動して、スタンスも変える必要があります。
グリップが薄ければ薄いほど打点が後ろになり、身体の開きが抑えやすいクローズドスタンスがマッチします。
サーブのトスにもいろいろなコツがありますが、それがあなたに合うとはかぎりません。
それ以上に、トス単体や体重移動とテイクバックを組み合わせた練習が必要になります。
トスは、コートでボールを打たなくても練習できます。
十分なトス練習をしてからサーブ練習に臨みましょう。
スマッシュでは難しい場合も多いですが、サーブでは体重移動を使ってトスアップ・テイクバック・スイングをしたいところです。
トスアップとテイクバックは、後ろ足から前足に体重移動しながら行うことで、トロフィーポーズでタメが作りやすいです。
打ち終わった後に、後ろ足を1歩前に出すことでボールの当たりが厚くなり、ボールの飛距離が伸びやすくなります。
スマッシュとサーブにおいて、欠かすことができないのがプロネーションです。
下記の動画のように、シンプルにプロネーションだけを練習するのがおすすめです。(すばらしいプロネーションです!)
テイクバック完了の形は、この練習から逆算して作れば、プロネーションを引き出しやすいです。
スマッシュもサーブも、威力を重視するならフラットな当たりです。
ただ、どちらのショットにおいても確率を重視しないといけない場面があります。
右利きなら、ラケットを左から右に振ることで回転量を増やします。
打ち方を変えると下手になるので反復練習は必須
打ち方を変えると、下手になることがよくあります。
慣れない動きはまだ身体に馴染んでいないため、今まで反復してきた以前の動きを下回ってしまうのです。
それでも、新しい動きで反復練習を重ねて馴染んでくれば、パフォーマンスは戻ってきます。
改善の内容次第では、以前の動きを上回ることができます。
よくある例としては、サーブです。
厚いグリップで打ち慣れている方がコンチネンタルグリップに変更するとき、今まで入っていたサーブがまったく入らなくなったりします。
しかし、長い目で見れば、コンチネンタルグリップに変えることで、サーブで球種を打ち分けられるようになるかもしれません。
もちろん、以前のサーブを上回るまで、相当の練習時間が必要になりますが…
打ち方を変え続けた結果どうなるか
見た目を整えたり、動きを変えるのはいいですが、反復練習で固めずにそれを繰り返すとどうなるでしょうか?
いつまで経っても、テニスが上手くならないなんてことも起こります。
伸び悩んでいるショットほど、その傾向が強いです。(いろいろいじるから安定しない…)
また、今まで打てたショットが打ち方を変え続けた結果、打てなくなるなんてこともあります。
わたしは両手バックハンドストロークを何も考えずに打つことができていましたが、動きを変えすぎて以前どうやって打っていたかもわからなくなってしまいました。(結局、今は片手でバックハンドを打っています。)
わたしみたいにならないよう、動きを変えたら反復練習で身体に馴染ませる時間を設けましょう。
結局、魔法や近道はないので、地道に練習を重ねるしかありません。
反復練習と動きの改善のバランスに気をつけながら、今より上手く打てるようになりましょう!