- テニスのアンダーサーブ|打ち方と使う場面やタイミングを元コーチが解説
- アンダーサーブは失礼になる?使い方次第で相手を不快にさせるかも
テニスのアンダーサーブ|打ち方と使う場面やタイミングを元コーチが解説
通常、テニスのサーブは頭より高い位置でボールを打ちます。
アンダーサーブは、グランドストロークのように下から打つサーブのことです。
海外では、「underarm serve」といいます。
アンダーサーブの打ち方は、特に決まっているわけではありません。
ただ、アンダーサーブをどのような目的で使いたいかで打ち方はだいぶ変わります。
アンダーサーブを使う場面
通常、頭より高い位置で打つサーブですが、あえてアンダーサーブを打つのはどんな場面でしょうか?
- 【サーブが入らない】
- サーブに不安があり、ダブルフォルトを回避したいとき。特にセカンドサーブ。
- 【日差しや強風】
- 太陽が眩しくて上から打てないときや強風でトスが乱れるとき。
- 【肩が故障】
- 腕が上がらず、上からサーブが打てないとき。
- 【不意打ち】
- 相手が速いファーストサーブを待っているとき。
上記から、アンダーサーブは
のいずれかで使われます。
初心者向けアンダーサーブ
確実にサービスコートへ入れることが目的なら、アンダーサーブはフォアハンドストロークのように打てばいいでしょう。
テイクバックを済ませて、ボールを打点付近で小さくトスを上げて、ノーバウンドで打ちます。
球種は、普段のフォアハンドストロークと同じで大丈夫です。
もしくは、コンチネンタルグリップで球出しのように出します。
フラットな当たりかアンダースピンをかけると、ボールをコントロールしやすいです。
弾まないアンダーサーブ
初心者向けアンダーサーブは高い確率で入りますが、相手にとっては打ちごろなボールになってしまいます。
相手が攻撃しづらい、弾まないアンダーサーブを打つなら、コンチネンタルグリップかバックハンドイースタンよりの薄いグリップ(サーブのグリップ)でサイドスピンをかけます。
ニック・キリオス選手やアレクサンダー・ブブリク選手がよく披露してくれます。
不意打ちとして使う場合、ボールをついた後、すぐにアンダーサーブを打っていますね。
顔は下を向いたまま、低い打点でラケットを右から左に振り抜いています。
速いサーブを待っていたレシーバーは、完全にタイミングを外されて打つことになります。
アンダーサーブは失礼になる?使い方次第で相手を不快にさせるかも
アンダーサーブはテニスのルールで禁止されているわけではないので、打つこと自体は問題ありません。
しかし、相手選手や観戦する人を不快にさせる可能性は十分にあります。
プロが見せるアンダーサーブ
プロテニス選手も時折放つアンダーサーブ。
レシーバーは、ベースラインからかなり離れて速いファーストサーブを待っています。
レシーバーがファーストサーブを予測している状態で、普段のサーブより早いタイミングでアンダーサーブを打てば、不意打ちをかけれます。
もっとも有名なアンダーサーブといえば、1989年の全仏オープンでマイケル・チャンが見せた1打でしょう。
しかし、アンダーサーブは戦術という声もあれば、相手に敬意を欠いたプレーという声もあり、よく議論になります。
現在では、プロテニス選手がアンダーサーブを使う機会が増えましたが、1試合で使う頻度が多かったり、相手にとってありえないタイミングだったりすると、観客から大ブーイングです。
相手選手も不快に感じるでしょう。
不快にさせるアンダーサーブ
わたしたちの場合、どんなときにアンダーサーブを不快に感じるでしょうか?
- 【フワッとしたアンダーサーブ】
- チャンスボールを決められないレシーバーに、フワッとしたアンダーサーブを打ち続ける。レシーバーは頭に来てハードヒットしてしまうと、だいたい自滅する。
- 【格下相手にアンダーサーブ】
- 相手を舐めていて、本気でサーブを打とうとしない。
どちらも不意打ちではありませんが、上からサーブを打たないことに腹を立てるレシーバーもいるでしょう。
アンダーサーブをチャンスボールとして決められないレシーバーにも問題はありますが…
不快にならないアンダーサーブ
逆に、不快にならないアンダーサーブはどんなときでしょうか?
相手がなぜアンダーサーブを打っているか明らかなときです。
- 「下から打ちます」と言ってからアンダーサーブを打った。
- 肩を壊しているので、事前にアンダーサーブを打つことを知らせた。
- 太陽が眩しくてアンダーサーブで打った。
セカンドサーブを確実に入れる自信がないとき、「下から打ちます」と言ってからアンダーサーブを打つ方がいます。
言わなくてもいいのにと思いますが、わざわざ宣言してくれます。
どれも、不意打ちとは思わないので、レシーバーはなんとも思わないでしょう。
ただ、サーブを打つアドバンテージはなく、むしろレシーバー優位で進むことになります。
どんな目的でアンダーサーブを打つかで、効果やレシーバーの感じ方は変わります。
あなたの使いたいアンダーサーブをはっきりさせてから、活用してみてください!