- テニスの練習メニュー|部活で使える手出しドリル|長期で反復すべし
- テニスの練習メニュー|部活のライブボールドリル|一工夫で差がつく
わたし自身、高校でテニス部でした。
そのときは、テニス経験がある部員に教わったり、自主的に練習していました。
でも、今考えると、工夫次第でもっと効率よく上達できたと感じています。
そのときの経験も踏まえ、元テニスコーチだったわたしが、部活で使える練習メニューを紹介します。
テニスの練習メニュー|部活で使える手出しドリル|長期で反復すべし
テニスの指導者がいれば、ラケットを使った球出しでバリエーション豊かな練習もできるでしょう。
「アプローチ→ボレー→スマッシュ」といった複数のショットをまとめて打つ練習もできます。
しかし、ラケットを使った球出しにはコツがいり、ドリルによっては特定の部員しか出せないなんてこともありえます。
そこでおすすめしたいのが
です。
手出しは、ラケットを使った球出しのように遠くから飛んでくるボールを打つ練習はできません。
ですが、手出しのほうが短い時間でたくさんボールを打つことができ、誰でもボールを出すことができます。
勢いのない球を打つため、ボールを飛ばす能力が身につき、工夫次第でさまざまな練習が可能です。
練習メニューは、一定期間は変えずに反復するのがおすすめです。
すぐに効果は現れませんが、長期的に反復することでじわじわと効果が出てくるからです。
ジョコビッチ流ダイナミックストレッチ⬇︎
手出しドリル|グランドストローク
手出し練習で一番お世話になるのは、グランドストロークでしょう。
一連のスイングを覚えるドリルから、フットワークや負荷を高めるドリルまであります。
目的に応じて、ドリルを選びましょう。
フォア⇄バック
フォアバックを交互に打つ手出しドリル。
グリップチェンジ・サイドステップによるリカバリーの練習になります。
ウォーミングアップのドリルとしてもよく使います。
回り込み
サイドステップで回り込んで打ちます。
ボールから距離をとる練習になります。
ボールに近づきすぎてしまう部員に有効。
前後のフットワーク
サイドステップを使って、前後の動きを強化します。
前後の細かい微調整ができるようになります。
前のフットワークのみで練習するのもあり。
スイングボレー
ノーバウンドで打ち抜きます。
足を細かく動かして、ボールに入ります。
高い打点で、ラケットを横に振るようにします。
厚く当てる感覚やラケットを振るタイミングが身につきます。
低めのボール
低めに手出ししてもらったボールを打ち抜きます。
ボールにしっかり入れるように、足を動かします。
スタンスを広げて、腰を落として打ちます。
スライスの返球など、弾まないボールに強くなる練習です。
ショートバウンド
ボールがバウンドした直後に打ちます。
早めにテイクバックをして、早めにラケットを振り出すタイミングが身につきます。(ボールがバウンドする前にラケットを振り出すのがポイント。)
ショートバウンドでの返球ができるようになると、ラリーが前よりつながるようになります。
部活で参考にしたい手出し練習の動画⬇︎
相生学院高校テニス部フォア・バック強化の秘密⬇︎
手出しドリル|ボレー
ボレーの基本練習といえば、ボレーボレーですね。
コート外でもでき、下記のようなバリエーションも考えられます。
- フォア対フォア
- フォア対バック
- バック対バック
- フォア対フォア⇄バック
- バック対フォア⇄バック
- バタフライ
- 距離を離してボレーボレー
「バタフライ」は、1人はストレートのみ、もう1人はクロスのみに配球する練習。
ボールが蝶々の形を描くので、バタフライと呼ばれています。
ボレーのコース打ち分けを磨ける応用練習です。
「距離を離してボレーボレー」は、ローボレーやハーフボレーの頻度が上がり、足元のボールに強くなります。
ボレーボレーがつながらないレベルであれば、手出しのドリルで基本を身につけるのが有効です。
2人1組になり、ボレーを打つ側と手出しする側に分かれます。
手出しする側は、足を踏み込んで打てる位置にボールを下から送ります。
ボレーを打つ側は、レベルに応じて下記のどちらかを選びます。
- ラケットを打点にセットしたところから踏み込みながら打つ練習
- レディポジションからスプリットステップ→軸足→踏み込みながら打つ練習
ミドルボレーを下記の順番で10球ずつ練習するといいでしょう。
- バックボレーのみ
- フォアボレーのみ
- バックボレー⇄フォアボレー
ミドルボレーが問題なくできるようになったら、同じメニューでローボレーやハーフボレーにも挑戦してみましょう。
地味で退屈かもしれませんが、経験値を上げれば確実にボレーは上達します!
手出しドリル|スマッシュ
スマッシュは、ラケットでロブを上げてもらい打つ場合がほとんどです。
以下のドリルで練習することが多いですね。
- その場でスマッシュ
- ネットタッチしてから下がりながらジャンピングスマッシュ
- 前に詰めてハイボレー⇄下がりながらジャンピングスマッシュ
- ローボレー→ハイボレー→下がりながらジャンピングスマッシュ
その場でスマッシュが打てるようになったら、下がりながら打つ練習がメインになります。
初心者であれば、手出しのドリルからスタートすると、基本のフォームを身につけやすいです。
2人1組になり、スマッシュを打つ側と手出しする側に分かれます。
手出しする側は、横からサーブのトスを代わりにやるつもりで上げます。
右利きであれば、右肩の上にボールを送るとコンチネンタルグリップでのスイングが定着しやすいです。
スマッシュを打つ側は、横向きになってテイクバックを済ませた状態で打ちます。
慣れてきたら、手出しのスマッシュ練習を下記のようにステップアップしていきましょう。
- サイドステップで下がってから止まってスマッシュ
- レディポジションからスプリットステップしてサイドステップで下がってスマッシュ
- レディポジションからスプリットステップしてクロスステップ+サイドステップで下がってスマッシュ
手出しでフットワークやラケットワークを覚えたら、なるべく早い段階でラケット出しのドリルに移行しましょう。
高いところから落ちてくるボールのタイミングをつかめないと、スマッシュはいつまで経っても打てるようにならないからです。
テニスの練習メニュー|部活のライブボールドリル|一工夫で差がつく
長い試合を戦い抜くために、ライブボールでの練習で体力をつけたり、場面に応じた返球術を身につけることも必要です。
ライブボールの代表的な練習メニューとして以下のようなものがあります。
- ショートラリー
- ストレートラリー
- クロスラリー
- ボレー対ストローク
- サーブからクロスラリー
- サーブからポイント練習
その他、「2対1の振り回し」で配球やリカバーの練習をしたり、「2対2のボレー対ストローク」で反応やポジションの練習をしたりもします。
どれも目的がはっきりしていれば、有効な練習方法です。
本記事後半では、一工夫することでライブボールのドリルの効果を上げる方法を紹介します。
ターゲットの設置
1対1のラリーをするとき、ただ打ち合うより
すると高いコントロール力を養うことができます。
ターゲットを設置すると、相手の打つボールを返球するだけでなく、どんな状況からも狙った場所へコントロールしながら打つようになります。
ターゲットは、ボール4つでピラミッドを作ればOKです。
わたしは、当たるたびにピラミッドを作り直すのが面倒だったので、フラフープを設置してラリー練習をよくやりました。
下記の練習の際は、ぜひ取り入れてみてください。
- ショートラリー
- ストレートラリー
- クロスラリー
- ボレー対ストローク
ストレートラリーの例⬇︎
縛りを入れたポイント練習
ポイント練習といえば、サーブからスタートすることが多いですが、
にするのもありです。
最初の1球が球出し練習になり、その後の展開もセットで磨くことができます。
最初の1球を強化したいシチュエーションに設定するのがポイントです。
例えば、センターに甘いボールを送り、フォアハンドストロークで回り込むところからスタートするとします。
そうすると、フォアハンドストロークで回り込んで攻めるシチュエーションを強化することができます。
1球目の打つコースだけ限定(例えば逆クロス)すると、相手が返球しやすくなり、その後の展開も練習できます。
試合と同じカウントでポイント練習
わたしがテニス部だったときは、部員が多かったこともあり、2ポイント先取など少ないポイントでチャンピオンゲームをよくやりました。
今考えると、部員が多くても、試合と同じカウントでポイント練習をもっとやっておけばよかったと感じています。
試合に近い心理状態で、ポイント練習ができるからです。
少し間が空きますが、下記の方法で試合と同じカウントでポイント練習が可能です。
- 【2試合を対戦相手を変えずに1面で行う】
- デュースサイドとアドバンテージサイドの2ポイントが終わるごとに、サーバー側もレシーバー側も待機している部員と交代。試合と同様に、サーブ権の交代やエンドチェンジを行う。
- 【2試合を対戦相手を変えながら1面で行う】
- サーバーがチャレンジャー、レシーバーがチャンピオンの1ゲームマッチ。サーバーはデュースサイドとアドバンテージサイドの2ポイントが終わるごとに交代。自分が戦ったポイント(例えば30-0)だけ覚えておく。レシーバーは、4ポイント(デュース→アド→デュース→アド)戦ったら交代。サーバー側がゲームをとったら、そのときのレシーバー側とチャンピオンを交代する。
どちらの練習も、シングルスなら1面4名、ダブルスなら1面8名で行います。
この方法なら、いかに自分のサービスゲームをキープするか、いかに相手のサービスゲームをブレークするかを普段のポイント練習でも磨けます。
最後に、部活の練習メニューに役立つ書籍を2冊ほど紹介しておきます。
テニスのドリル本ならこの1冊。
初心者からトップジュニアまで取り組める練習がまとまっています。
部活の練習メニューのアイディアが満載です。
前半は、テニスの基本が一通り書いてあり、教科書として活用できます。
後半は、ダブルスに効く練習法と基礎力を高める練習法が書いてあり、部活向きの内容です。
早稲田大学庭球部の練習方法を知ることができる貴重な1冊。