- テニスのレットとは?サーブがネットインしたときのルールをわかりやすく解説
- こんなときもレットになる【セルフジャッジでゲームをするなら知っておきたい】
本記事では、レッスンではまとめて話すことのない「レット」のルールを解説しました。
「レット」に詳しくなれば、ゲームを優位に進められる場面も出てきます。
テニスのレットとは?サーブがネットインしたときのルールをわかりやすく解説
テニスのレットが主に使われるのは、サーブがネットインしたときです。
サーブのネットインとは、ボールがネットに触れて斜めのサービスコートに入ったときを指します。
レットになった場合、打ったサーブはノーカウントになり、再度サーブを打ち直す(リプレイする)ことになります。
- 【ファーストサーブをレット】
- →ファーストサーブを打ち直し
- 【セカンドサーブをレット】
- →セカンドサーブを打ち直し
テニスのゲームでは、2〜3回連続でレットになることもたまに起こります。
覚えておきたいレットの意味
「レット」の語源は、フランス語の「ネット」ではないかといわれています。
テニスの原型といわれているのが「ジュ・ドゥ・ポーム」というもので、フランスの修道院で考え出され、聖職者から貴族階級へと流行した歴史があります。
しかし、テニスの「レット(let)」の意味は、ネットではなく「やり直し(リプレイ)」です。
本記事の後半で紹介する「レット」は、すべてネットとは絡んでいません。
ラリー中のネットインとの違い
ネットインのことをテニス用語では「コードボール」と呼びますが、両者の扱いはまったく違います。
- 【サーブのネットイン】
- →レットになり打ち直し
- 【ラリー中のネットイン】
- →プレーを続行
ネット近くに立っていれば反応できますが、ベースライン後方にいたらきついです。
ラリー中に、相手のボールがネットインしてポイントを奪われたときは、ちょっとアンラッキーですよね。
相手も喜ばず、手のひらを上げて謝るはずです。
サーブのレットのコールは誰がするの?【セルフジャッジの場合】
わたしたちがゲームや試合をするときは、大概セルフジャッジです。
サーブがネットインしたときのレットのコールは、レシーバー側がします。
セルフジャッジでは、ネットより自分側のコートの判定とコールを行うからです。
しかし、サーバー側は相手側のコートの判定とコール(つまりレット)ができなくても、「ネット」のコールは可能です。
「わたしが打った今のサーブ、ネットに触れましたよ。」とは言えるのです。(ポイントが終わった後に言っても無効です。)
場合によっては、もめそうですね。
もし、サーブのレットを廃止して、ラリー同様にプレーを続行できれば、ネットに触れた触れないは気にしなくてよくなりますが…
実際に、サービスの「ノーレット」ルールは大会で試験的に採用されたことがあるくらいです。
サービスの「ノーレット」ルールを採用すれば、テニスの長い試合時間を多少短縮できるかと思います。
でも、大事なポイントで相手のサーブがネットインしたらショックがでかいですよね。(新しいルールに慣れればいいだけかもしれませんが…)
こんなときもレットになる【セルフジャッジでゲームをするなら知っておきたい】
テニスでは、下記の場合もレットが適用されます。
- レシーバーが打つ準備をしていないのにサーブを打ってしまったとき
- インプレー中に隣のコートからボールが入ってきたとき
- インプレー中に持ちものを落としてしまったとき【1回目だけ】
- 誤ったコールを直ちに訂正したとき【1回目だけ】
セルフジャッジで困らないように、すべて理解しておきましょう。
レシーバーが打つ準備をしていないのにサーブを打ってしまったとき
レシーバーが打つ準備をしていない(ノットレディ)のにサーブを打ってしまったときはレットとなり、サーブをやり直します。
テニスを始めたばかりの人だと、レシーバーを確認せずサーブを打ってしまうことがあります。
また、テニス経験者でも、ゲームで疲れてくるとレシーバーを確認しないでサーブしてしまうケースがあります。
サーバーは、スコアをコールするだけではなく、レシーバーの打つ準備ができているかを確認してから打つようにしましょう。
インプレー中に隣のコートからボールが入ってきたとき
インプレー中に、隣のコートからボールが入ってきたときもレットをコールできます。
このレットは、ゲームや試合中によく起こります。
どちらのプレーヤーも、ボールに気がついたらレットをコールできます。
レットをコールしたら、プレーを停止しましょう。
この場合、ファーストサーブからのポイントのリプレイになります。
インプレー中に持ちものを落としてしまったとき【1回目だけ】
インプレー中、上記のように持ちものを落としてしまうことがあります。
持ちものが落ちたときは、1度だけレットをコールできます。
この場合も、ファーストサーブからのやり直しになります。
ただし、注意点があります。
- レットをコールできるのは落とした本人ではなく相手プレーヤー
持ちものを落としたプレーヤーは、自分でレットをコールできないのでプレーを続けるしかありません。
もし、落としもので1度「レット」をコールされると、2回目以降は落とすたびに失点になります。
ここでいう持ちものに、ラケットが含まれないことにも注意してください。
ラケットは落としても「レット」をコールできませんので、落とした本人はもちろん相手プレーヤーもプレーを続行します。
誤ったコールを直ちに訂正したとき【1回目だけ】
最後に紹介するのは、誤ったコールを直ちに訂正したときのレットです。
ポイントレットになるのは、1回目だけです。(2回目以降は失点。)
インだったボールを誤って「アウト」とコール(ミスジャッジ)したが直ちに訂正(コレクション)した場合は、1回目は故意ではない妨害としてポイントレットにする。
出典 : JTA TENNIS RULE BOOK 2018
ただし、明らかにやられた場合(エースなど)は失点です。
「JTAテニスルールブック2018」から変更されており、以前は失点扱いでした。
また、ダブルスでペアの判定が食い違うと失点になりますが、「JTAテニスルールブック2019」から加筆されています。
ペアの判定が食い違ったとしても「フォールト」「アウト」をコールしたプレーヤーが直ちに「グッド」に訂正した場合は、1回目に限り故意でない妨害としてポイントレットとなる。
出典 : JTA TENNIS RULE BOOK 2019
ちょっと特殊なレットでしたが、セルフジャッジの試合で自分もしくは相手がコールする機会があるかもしれませんので、頭の片隅に入れておきましょう。
後半は難しいレットのケースもありましたが、試合に出るなら知っておきたい内容です。
ゲームでレットをコールできるようにしておきましょう。
テニスのルール全般は、こちらの記事をご覧ください。