- 【テニスのサーブ】時間をかけて習得したい3つの基本
- サーブの基本を身につける方法【地味練を積み上げる】
サーブを得意とする生徒さんとそうでない生徒さんのレベル差は激しく、いったいこの差はどうして生まれるのかずっと考えていました。
わたし自身サーブは1番苦手で、それゆえに1番試行錯誤しているショットです。
その過程で見つけた、時間をかけて習得すべきサーブの基本を3つ解説します。
- サーブを基本からやり直したい
- サーブを底上げしたい
- ジュニアのサーブ力を長期スパンで高めたい
上記の方に役立つ内容です。
小学生のわが子に時間をかけて3つの基本を練習させた結果、サーブが1番の得意ショットになったので、それなりに効果はあるはずです。
【テニスのサーブ】時間をかけて習得したい3つの基本
本記事では細かいテクニックではなく、サーブの大元となる3つの基本を解説します。
サーブで時間をかけて習得したい3つの基本は下記のとおりです。
- トスアップ
- 身体全体を使う
- ボールの当て方
1つずつ解説します。
トスアップ
サーブはトスアップが大事ということは、テニスをしている誰もが知っています。
トスアップが狙ったところに上がらなければ、ベストの状態でサーブは打てないですよね。
テニスの教本やYouTubeを見ると、トスアップのテクニックがいろいろとわかります。
ですが、まずはテクニックを抜きにして、
を単独で高めるべきです。
サーブ練習の中で、トスアップのテクニックだけを取り入れてもなかなかうまくいきません。
おそらく、そのテクニックがよかったのか悪かったのかも判断が難しいかと思います。
左手でボールを上げる感覚を高めてボールが狙ったところにコントロールできるようになってから、トスアップのテクニックがご自身に合うか検証したほうがいいでしょう。
トスアップのテクニックは、グリップの握りや打つときのリズムなどで合う合わないがあります。
実際にサーブを打つときは、体重移動しながらトスアップをします。
そのため、最終的には体重移動しながらトスアップができないといけないわけです。
しかし、腕だけで正確にボールを上げられなければ、体重移動を加えてもうまく上がりません。
体重移動込みでトスアップの練習をするのは、腕の振りだけでボールをコントロールできるようになってからでいいでしょう。
身体全体を使う
サーブを得意とする生徒さんとそうでない生徒さんのレベル差は、
が大きいです。
身体全体を使えていると、身体の体重移動を大きく行い、腕を鋭く振り抜けます。
グランドストロークで身体全体を使って打てても、サーブで同じように腕を振れるとはかぎりません。
グランドストロークとサーブでは、腕の振り方が違います。
グランドストロークは下から上に振り上げるのに対して、サーブはどちらかというと振り下ろす動作。
この動作は、ラケットを持たずにスローイングをしたほうがサーブのさまざまな動作を省くことができて磨きやすいです。
サーブは遠投動作に類似しているため、野球経験者にサーブが得意な人が多いです。
身体全体を連動させることは、プロテニス選手の練習を見ても大切なのがわかります。
⬆︎加藤未唯選手のサーブトレーニング(横山正吾トレーナーのYouTubeチャンネルより)
ボールの当て方
身体全体を使ってボールを投げられる野球経験者でも、投球とサーブとの違いを理解していなければ、対角線上のサービスコートにボールがなかなか収まりません。
テニスのことを知らず野球経験者にサーブを打たせれば、グリップはイースタングリップで握りフラットな当たりになるでしょう。
サーブはコンチネンタルグリップのように薄いグリップで握り、ボールに回転がかかる当て方を覚えないとサービスコートになかなか入りません。
薄いグリップでボールに回転をかけるなら、打点の位置と動作方向を大きく変える必要があります。
サーブの基本を身につける方法【地味練を積み上げる】
本記事の後半では、実際にサーブの基本を身につける方法について解説します。
どれも自宅でできる地味な練習なので、日々反復してサーブの基本を体得しましょう。
腕を上げる動作を磨く
まずはトスアップの練習です。
ターゲットを用意して、下投げで狙います。
⬆︎わが家の例
⬆︎こういうのでもいいですね
使うボールは普段テニスで使っているものでもいいですし、スポンジボールでもかまいません。
⬆︎直径9cmの大きめなスポンジボール
やり方はいたって簡単です。(下記は右利きの場合。)
- ターゲットに正対する
- 身体の正面から左腕を上げてボールを入れる
最初は、手のひらを上に向けて狙うとコントロールしやすいです。(コップを持つようにボールを握るのは、ある程度の経験値が必要です。)
トスアップでよくあるミスは、ボールを長く持ちすぎて背中側に上げてしまうことです。
この練習では普段のトスアップより前方へ投げるので、ボールを離すタイミングを早める効果があります。
毎日10球(5球でもOK)入るまで練習を繰り返せば、トスアップのコントロールはかなりよくなるはずです。
ボール投げ
サーブの身体全体を使う練習で1番おすすめなのは遠投です。
しかし、遠投には下記の問題点があります。
- 遠投を練習する環境を作るのが難しい
- 間違ったやり方だと逆効果
そこで、自宅でもできる「ボール投げ」の練習を紹介します。
柔らかいボールを使います。
⬆︎わが家で最も長く使われているおもちゃの1つ
これなら、自宅でボール投げをしても何かを壊す心配をかなり減らせます。
2人でキャッチボールするのが理想ですが、クッションを的代わりにすれば1人でも可能です。
⬆︎脚立やイスにクッションを置く
下記の3ステップでボール投げを練習してみましょう。
- トップの位置から投げる
- トップの位置を作ってから投げる
- 体重移動しながら投げる
トップの位置から投げる
まず、サーブのテイクバックでも大事なトップの位置から投げてみましょう。
手のひらを後ろに向けることで、肘を後方へ引き肩と同じ高さにしやすくなります。
前足を投げたい方向へ踏み替えて、身体を回します。
身体を回しながらボールを投げますが、前方にある左腕は折りたたんでしまいます。
このステップを確実にできるようになってから次に進みましょう。
トップの位置を作ってから投げる
次に、トップの位置を作ってから投げる練習をしてみましょう。
最近のサーブは身体の正面からラケットをテイクバックすることが多いですが、ここではオーソドックスに後ろを回してトップの位置を作ってみましょう。
最初は身体の正面でボールを持ちます。
そこから両手を広げてトップの位置を作ります。
しばらくは、トップの位置ができているか後ろを向いて確認してから投げましょう。
このステップも確実にできるようになってから次に進みます。
体重移動しながら投げる
最後のステップでは、体重移動を加えてみます。
身体の正面でボールを持って、右足1本で立ちます。
左足を踏み込みながら、トップの位置を作ります。
左足が着地したときに、ちょうどトップの位置が作れるようにします。
⬆︎着地と同時にトップを作る
ボールを投げ終わったら、左足1本でバランスを保ちます。
スピンサーブの当て方
サーブの確率を上げるには、ボールに回転をかけることが不可欠です。
ボールに斜めの回転をかけるのですが、この当て方を覚えるにはスピンサーブの当て方を練習するのがおすすめです。
と思うかもしれませんが、スピンサーブの当て方を練習すると、
と
を覚えることができます。
特に、「ボールに回転をかけられる打点」はフラットサーブしか打たない人にとっては考えられない位置かもしれません。
スピンサーブの当て方の練習をするだけなら、自宅でも可能です。
打ったときの感触がいいボールをいろいろ試しましたが、下記のようにある程度大きくてやわらかいものがよかったです。
⬆︎ボール投げにも使える
ただ、回転をかける練習は激しくボールを擦るため、縫い目がほつれていきます。
必要に応じてテープで補強しましょう。
ラケットはできるだけ短く持ちます。(ジュニアのラケットがあれば軽くて楽にできます。)
壁に狙うターゲットを用意します。
わが家ではカラーテープを貼って目印にしています。
ボールが天井に当たらないように、膝立ちします。
膝が痛い場合はクッションなどを敷くといいでしょう。
テイクバックを済ませておきます。
このとき、グリップエンドは打つ方向の反対側へ向いています。
トスを右肩の上辺りに上げます。
右肘を伸ばしながら右手を上げます。(ただし、右肘が伸び切るのはインパクト後。)
このとき、グリップエンドは右側を向きます。
そのままラケットを止めずに右へ振り抜きます。
ボールに回転がかかり、放物線を描いていれば成功です。
ラケットは右へ振り抜いているのに、ボールが前へ飛んでいくのに注目してください。
トスがフラットサーブを打つときのように右前へ上がってしまうと、ボールは山なりになりません。
右肩もしくは打つ方向に対してより後方へトスを上げると、ボールを山なりに打ちやすいです。
本記事で紹介した3つの基本を身につけても、すぐにサーブがよくならないかもしれません。
ですが、その後サーブ練習を重ねたとき、サーブの上達具合は確実に上がります。
本記事で紹介した3つの基本を土台にして、サーブを育てていきましょう。