- 【テニスの片手バックハンド】初心者が最初に覚えたいコンパクトなスイング
- 片手バックハンドのスイングを覚えたらボールまでのフットワークを覚えよう
子どもから大人の初心者の方に、1からテニスを教えてきました。
初心者が最初に覚えたい片手バックハンドストロークの基本スイングを解説します。
【テニスの片手バックハンド】初心者が最初に覚えたいコンパクトなスイング
テニスを始めて片手バックハンドストロークのグリップを覚えたら、最初に身につけたいのが基本となる「スイング」です。
ちなみに、初心者におすすめの片手バックハンドのグリップは
です。
⬆︎右手のひらの斜めのラインを①のグリップ面に合わせる
本記事では、上記のグリップを前提に「スイング」を解説しています。
初心者の方が「スイング」を身につけるとき、覚えたいのは下記の2つです。
- スタートの形
- ゴールの形
片手バックハンドストロークを細かく分解していくと、正直キリがありません。
初心者の方ならなおさらです。
いろいろなことを教わっても、頭に入らないし身体が思うように動きません。
まずは「スタートの形」と「ゴールの形」を覚えて、片手バックハンドストロークの基本となるスイングを身につけましょう。
スタートの形
スタートの形とは、片手バックハンドストロークのテイクバック(ラケットを後方に引く動作)が終了したときの形です。
ですが、初心者の方がいきなり大きなテイクバックから始めても、ボールをうまくとらえられません。
ボールをとらえられたとしても、正しいスイング軌道を覚えられるとはかぎりません。(ボールより上から振り下ろすスイングになりかねないです。)
まずは、コンパクトなスイングのテイクバックを覚えましょう。
コンパクトなスイングなら、テイクバックからインパクトまでの距離が短くボールがとらえやすいです。
また、インパクトより低い位置にラケットを用意するので、ボールより下から上にスイングでき、自然と順回転(ドライブ)がかかります。
「スタートの形」の作り方
右利きの場合で説明します。
まずは、下半身からです。
打ちたい方向に対して横向きに立ち、肩幅より若干広く両足を離します。
バックハンドを打つとき、前後に並んだ足の向きは下記のとおりです。
- 【前足】
- →45度外側に向けて左斜め前
- 【後ろ足】
- →そのまま左側
前にある右足のつま先は45度外を向け、打ちたい方向に対して左斜め前を向くようにします。
それにともない、右膝も自然と左斜め前を向きます。
後ろにある左足のつま先は、そのまま打ちたい方向に対して左側に向けておきます。
両膝は軽く曲げて、緩めておきます。
これで、下半身の準備は整いました。
次に、テイクバックのとり方です。
右手はバックハンドイースタングリップでラケットを握ります。
⬆︎右手のひらの斜めのラインを①のグリップ面に合わせる
左手の親指と中指・薬指・小指でラケットのスロートを支えます。
左手の人差し指の先端はストリングに触れるようにします。
ラケットヘッド(ラケットの先端)を打ちたい方向の反対側へ向けます。
打球面は打ちたい方向の左側へ向くようにします。
左手の位置は、左腰の前辺りです。
両肘は少し曲げておきます。
このときの両手首の形を覚えておいてください。
その後、手首の形はそのまま維持してグリップを左股関節の斜め横側につけます。
そこから、グリップを左股関節から少し離します。
ラケットヘッドが打ちたい方向に対して右斜め後ろ側を向き、打球面が少しふせられていればOKです。
これで「スタートの形」は完成です。
この形を作ると、適切なインパクトでボールをとらえたとき、ラケット面が地面に対して垂直に近い状態になります。
スタートの形で、打球面が打ちたい方向に対して左側を向いていると、インパクトでラケット面が斜め上を向き、アウトの原因になります。
⬆︎ラケット面が開いた状態でインパクト
反対に、打球面が真下を向いていると、インパクトでラケット面が斜め下を向き、ネットの原因になります。
⬆︎ラケット面がふせた状態でインパクト
スイングを開始するまでは両手でラケットを支えられるため、フォアハンドストロークほどシビアではありません。
ですが、右手をバックハンドイースタングリップで握っている場合、テイクバックで打球面を少しふせるようにしましょう。
ゴールの形
ゴールの形とは、片手バックハンドストロークのスイングが終了(フィニッシュ)したときの形です。
片手バックハンドストロークを打つとき、ゴールの形を揃えれば、わずかに身体が回る感覚を覚えられ、再現性のあるスイングが定着します。
片手バックハンドストロークのスイングを細かく分けると、「フォワードスイング→インパクト→フォロースルー→フィニッシュ」となりますが、スタートとゴールの形を覚えてボールを打ち続ければ、自然と一連の動作ができるようになります。
「ゴールの形」の作り方
スタートの形を作れるようになったら、スイングの終着点「ゴールの形」を覚えます。
まずは、下半身から説明します。
スタートの形をとった後、体重が右足に移動することで、左足のかかとが地面から浮きます。
次に、ラケットのゴール地点です。
ラケットは下記の3点をチェックしてください。
- 右脇を開けて右肘を伸ばす
- ラケットは立てて打球面は打ちたい方向の右側に向ける
- 左手のひらを残しつつ地面に近づける
打点の位置
2つの形を覚えたら、「スタートの形→ゴールの形」を繰り返してみてください。
これが、片手バックハンドストロークのスイングです。
後は、打点の真上からボールを落としてもらって繰り返し打てば、片手バックハンドのスイングは定着していきます。
テニススクールなら、コーチが打点の真上からボールを落としてくれるので、何も考えずにスタートからゴールまでスイングすればOKです。
打ち続けるうちに、自然と身体が打点の位置を覚えていきます。
1人で練習もしくは2人以上で自主練をする場合は、打点の位置を把握しておく必要があります。
高さはおへそくらい、右足つま先の30cmくらい前(打つ方向に対して)で打つと、ちょうどラケット面が垂直でボールをとらえられます。
2人で練習する場合は、ゆっくり素振りをしてもらい、ボールを落とす位置を確認するといいでしょう。
1人で練習する場合は、右腕を伸ばして打つ方向に対して30cmくらい前で打てるようにボールを落としてみてください。
スムーズにスイングできる打点は、かなり前方にあります。
この練習はテニスコートで行うとボールの軌道とどこに落ちたのかわかるのでベストですが、壁打ちでも可能です。
下記の2つをそろえれば、自宅でもやれなくはないです。
⬆︎自宅でも安全なスポンジボール
⬆︎ボールを受け止めてくれるネット
自宅で気が向いたときに練習ができ、重宝しています。
初心者の方なら、反復練習で上達スピードを加速できます。
ボールが当たらない場合は声に出してタイミングをとる
どのタイミングでラケットを振り始めたらボールが打てるのかわからない場合は、下記2つを声に出しながら打ってみましょう。
- ボールが地面にバウンドしたとき
- ボールが打点を通過するとき
「弾んで」「打つ」でもいいですし、「いち」「に」でも「トン」「トン」でもかまいません。
言いやすいかけ声でスイングすると、振り始めるタイミングがつかめ、ボールが当たるようになります。
片手バックハンドのスイングを覚えたらボールまでのフットワークを覚えよう
片手バックハンドストロークの基本スイングを覚えても、打ちやすいところにボールがこなければ同じ状態で打てません。
動くボールに対して同じ状態で打てるようにするには、フットワークを覚える必要があります。
本来はラケットをテイクバックしながらボールとの距離を合わせますが、最初は2つの動作を同時に行うのが難しいです。
まずは片手バックハンドストロークを打つことを前提に、テイクバックしたところ(本記事の「スタートの形」)からフットワークを使ってボールとの距離を合わせる練習をしてみましょう。
下記3つのフットワークを覚えます。
- 横に動くとき
- 前に動くとき
- 後ろに動くとき
最初は、近くから手でボールを出してもらい、慣れてきたら遠く(ネット越し)からラケットでボールを出してもらいます。
横に動くとき
遠くのボールを横に動いて追いかけるときです。
横を向いてラケットをテイクバックしたところからスタートしているので、横向きのままボールに近づいていけばOKです。
ただし、近づきすぎないように気をつけましょう。
止まるときは、左足を決めてから右足を決めます。
左足で、ある程度ボールとの距離をとっておく必要があります。
⬆︎【手出しの例】短い距離で横に動いて2球打つドリル
⬆︎【球出しの例】横に動いて2球打つドリル
前に動くとき
次に、短いボールを前進して打つときです。
横を向いてラケットをテイクバックしたところからスタートしているので、前進するときはサイドステップを使います。
サイドステップで前進しながら打つときは、自然と後ろ足から前足に体重移動しながら打てるはずです。
⬆︎【手出しの例】横に動いて1球・前に動いて1球のドリル
⬆︎【球出しの例】横に動いて1球・前に動いて1球のドリル
後ろに動くとき
最後に、山なりのボールを後退して打つときです。
横を向いてラケットをテイクバックしたところからスタートしているので、後退するときもサイドステップを使います。
もし余裕があるなら、大きく後退してから前進して打ちましょう。(後退も前進もサイドステップ。)
余分に下がることになりますが、普段どおり後ろ足から前足に体重移動しながら打てます。
⬆︎【手出しの例】前に動いて1球・後ろに動いて1球のドリル
⬆︎【球出しの例】前に動いて1球・後ろに動いて1球のドリル
相手の打つボールに反応するスプリットステップやラケットをテイクバックする動作が入ることで、同じ練習でも難易度が上がります。
片手バックハンドの基本をマスターし、上記で紹介したフットワークを使いこなせるようになれば、幹の部分は完成です。
後は、片手バックハンドの枝葉の部分を少しずつ足していけばOKです。
本記事の内容を習得し、ぜひ片手バックハンドストロークを打つ楽しさを感じてみてください!