- テニスのサーブで手首はどう使うべきか【元テニスコーチが解説】
- テニスのサーブで手首の形を維持する方法【3つ紹介】
テニスを教える側にとっても、グランドストロークやボレーと比べてサーブの腕の使い方は難しいです。
そして、グリップの握り・手首の使い方・打点の位置のどれを間違えても、サーブでの腕の使い方はうまくいきません。
本記事では、手首の使い方にフォーカスして解説します。
テニスのサーブで手首はどう使うべきか【元テニスコーチが解説】
サーブやスマッシュでは、腕をしならせてムチのように使うイメージがあるかもしれません。
なので、手首もやわらかく使ったほうがラケットヘッドが走りスピードが出ると言う人もいます。
ですが、他のショットを考えてみてください。
グランドストロークもボレーも、ボールをコントロールするために手首をどうしていますか?
手首はインパクトの形で固定する
自分のペースで打てるとはいえ、サーブでも最初の構えから
しておきましょう。
もちろん、スマッシュも同様です。
もし、手首を固定していなければ、打点が少しズレただけでボールが飛んでいく方角が大きく変わってしまうからです。
手首を使いながら打った場合、手首を支点にラケットがお辞儀をするように大きく動きます。
ちょうどいい打点ならコートに入るラケット面を作れるかもしれません。
ですが、打点がズレれば下記のようになってしまいます。
- 【打点が少し後ろになった】
- →ラケット面は返りきらず上を向いてインパクト
- →高い弾道になりオーバーする
- 【打点が少し前になった】
- →ラケット面は返ってしまい下を向いてインパクト
- →ボールは短くなりネットする
手首を固定していても打点がズレればボールの軌道は変わりますが、ズレ幅は少なくなります。
再現性も高くなるので、ボールをコントロールするために手首は固定して、打点とスイングで調整しましょう。
ボールのスピードを上げるには腕を鋭く振り抜く必要がありますが、それと同時に
を使ってラケットヘッドを大きく動かします。
テニスでは「プロネーション」と呼び、よくうちわを扇ぐ動きに例えられます。
手首は掌屈するの?背屈するの?
サーブで推奨されているコンチネンタルグリップの場合、手首は
か
のがおすすめです。
手首を背屈してしまうと、打点が前になりプロネーションが使えなくなるからです。
これだと、コンチネンタルグリップで握っていても厚めのグリップで打っているのと同じになってしまいます。
手首をニュートラルにしておく場合、右肩の上辺りに打点をとります。
手首を少し掌屈しておく場合、もう少し打点が後ろになり、スピンサーブが打ちやすくなります。
手首は橈屈するの?尺屈するの?
手首は橈屈も尺屈もせず、
にしておきましょう。
ニュートラルな状態なら、前腕に力が入ることなくプロネーションが使えるからです。
ラケットの重みで橈屈することはあっても、意識的に曲げる必要はありません。
小指を前腕に近づけて尺屈すると高い打点で打てますが、前腕とラケットが一直線に伸びてしまいます。
これだと、プロネーションではなくリストを使った動きになってしまいます。
テニスのサーブで手首の形を維持する方法【3つ紹介】
サーブを打っているところを撮影すると、固定しているつもりでも無意識に手首が動いていることに気づきます。
本記事の後半では、
を3つ紹介します。
- 右肘を上げてラケットヘッドが落ちる
- ラケットを短く持ってみる
- 手首を使わなくて済む打点で打つ
右肘を上げてラケットヘッドが落ちる
まずは、ラケットヘッドの落とし方を理解しておきましょう。
ラケットヘッドは、手首を固めたまま右肘が上がることで落ちていきます。
右肘が上がったときに、右腕が外巻き(外旋+回外)に回り、ラケットヘッドが落ちていきます。
ここの動きだけ、ボールを打たずに何度も練習しておくといいでしょう。
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手首を背屈したり肘を深く曲げてラケットヘッドを落とすと、プロネーションがうまく使えませんので要注意です。
ラケットを短く持ってみる
グリップの上のほう(スロートに近い部分)を握って、ラケットを短く持ってみるのも1つの手です。
ラケットを短く持つと、ラケットの重みを減らすことができるからです。
特に、ラケットの重みで手首が曲がってしまう方におすすめです。
ボールは飛ばなくなりますが、右腕の動きが習得しやすくなります。
手首を固定して、腕の外巻きと内巻きを使ったスイングを練習してみましょう。
手首を使わなくて済む打点で打つ
それでも手首を使ってしまう方は、打点を間違えています。
コンチネンタルグリップで手首を使わなくて済む打点は、
辺りです。
後ろ肩の上なら、身体を大きく回さず手首を使わずインパクトを迎えられるからです。
打点を前にとると手首を使う
打点を前(ネット方向)にとってしまうと、コンチネンタルグリップで握っていても、フォアハンドストロークのように身体を回転させて手首を背屈してボールをとらえてしまいます。
サーブを打った後にグリップの握りが少し厚くなる方は、大概この打ち方になっています。
打点を変えるにはトスを上げる方向から修正する
後ろ肩の上辺りに打点をとるために、まずは
から修正してみましょう。
打点を普段より後ろにする必要があるので、両足の間くらいからボールをトスアップするイメージを持ちましょう。
それでもトスの方向を修正できない場合は、後ろ方向からボールを上げるつもりでやってみてください。
後ろ肩の上に打点をとると回転もかかる
後ろ肩の上に打点をとれるようになると、スイングも前後方向から左右方向へ変わっていきます。
左右方向へラケットを振ることで、ボールに回転がかかるようになります。
ボールの回転を抑えてフラットでとらえたい場合、後ろ肩の上より若干打点は前になります。
少し身体を回してインパクトを迎えますが、手首を固定できるように打点を前にしすぎないように気をつけましょう。
最後に、サーブの手首をどうするべきかわかりやすい動画があったので紹介します。
鈴木貴男プロがジュニアにサーブを教えている動画で、とてもわかりやすいです。(24:00から「スタート時の手首の形」を解説しています。)
サーブの手首の使い方を知れば、正しい打点とスイングに近づけます。
手首を固定して、ボールをコントロールできるサーブを身につけましょう!