- テニスのプレースタイル一覧|テニスで知っておくべき4種類の戦い方
- テニスのプレースタイル別の練習方針|元コーチがわかりやすく解説
テニスのプレースタイル一覧|テニスで知っておくべき4種類の戦い方
テニスのプレースタイルは、大きく分けると4種類あります。
- 守備型ベースライナー
- 攻撃型ベースライナー
- サーブ&ボレーヤー
- オールラウンダー
プレースタイルは、
や
で決まってきます。
守備型ベースライナー
守備型ベースライナーは、グランドストロークで粘り強くつなげるプレースタイルです。
しつこくつなげることから「シコラー」と呼ばれたり、相手の隙を見て攻撃を仕掛けることから「カウンターパンチャー」と呼ばれたりします。
守備型ベースライナーはグランドストロークが得意で、スピードよりコントロールを重視するプレーヤーに向いています。
同じ守備型ベースライナーでも、トップスピンをかけて安定したグランドストロークを打ち続けるプレーヤーもいれば、フラット気味でボールを深くコントロールして戦うプレーヤーもいます。
攻撃型ベースライナー
攻撃型ベースライナーは、グランドストロークで主導権を握り、自分からポイントをとりにいくプレースタイルです。
積極的に攻撃を仕掛けていくことから「アグレッシブベースライナー」と呼ばれたりします。
攻撃型ベースライナーは、強力なグランドストロークの持ち主や早いテンポでボールを打てるプレーヤーに向いています。
強力なフォアハンドストロークの使い手が多く、回り込みフォアハンドを武器にポイントを量産します。
サーブ&ボレーヤー
サーブ&ボレーヤーは、サーブを打った後、前進してボレーで仕留めるプレースタイルです。
積極的にネットプレーで戦うことから、「ネットプレーヤー」と呼ばれたりもします。
サーブ&ボレーヤーは、強力なサーブを持ち、ボレーが得意なプレーヤーに向いています。
ネットへつめて相手との距離が短くなるため、素早い反応や相手の動きやコースを読む力が必要になります。
かつては、ステファン・エドバーグさんやボリス・ベッカーさんといったサーブ&ボレーヤーで戦う選手がいましたが、ラケットの進化とリターン力の向上により、サーブ&ボレーヤーがプロの世界にいなくなってしまいました。
とはいえ、わたしたちのレベルではサーブ&ボレーヤーはいまだに有効なのでご安心を。
オールラウンダー
オールラウンダーは、グランドストロークでもボレーでも相手を仕留められる最強のプレースタイル。
「オールラウンドプレーヤー」とも呼ばれています。
どのショットも器用に打てるため、多彩な戦い方が可能です。
ベースラインでもネットプレーでも戦えるため、相手の読みを外しながら戦えます。
オールラウンダーといえば、美しいプレーでわたしたちを魅了したロジャー・フェデラーさんが有名ですね。
テニスのプレースタイル別の練習方針|元コーチがわかりやすく解説
本記事の後半では、それぞれのプレースタイルに必要な練習を元コーチだったわたしが紹介します。
守備型ベースライナー
守備型ベースライナーに必要なのは、どんなに振り回されても返球できる能力です。
ただ、返球するのではなく、ボールを深くコントロールする必要があります。
守備型ベースライナーのおすすめ練習方法は、下記のとおり。
- ライブボールでの振り回し
- クロスから来たボールをストレートへ打つ練習
- スライス
ライブボールでの振り回しは、1面対半面で負荷をかけてラリー練習します。
半面側は台となり、ディースサイドまたはアドバンテージサイドのベースラインに立って、相手を左右に振り回します。
1面側は、シングルスコートに入ったすべてのボールを返球し、半面に立っている相手にコントロールします。
なるべくボールが浅くならないようにコントロールし、苦しいときはボールのスピードを落として自分に時間を作ります。
球出し練習をするなら、クロスから来たボールをストレートへ打つ練習がおすすめです。
お互いクロスラリーをミスしない場合、ストレートに仕掛けられるとその後の展開が優位に進みます。(ただし、ストレートが甘いと、オープンコートが空いているためピンチになります。)
スライスでペースダウンすることも、守備型ベースライナーにとって大事な選択肢になります。
グランドストロークでは届かないボールの返球や、相手のリズムを崩したいときにスライスは力を発揮してくれます。
攻撃型ベースライナー
攻撃型ベースライナーに必要なのは、フォアハンドで回り込むフットワークとコースを打ち分けるコントロールです。
どちらも、ボールを落とさず、速いテンポ・高い打点でとらえる必要があります。
攻撃型ベースライナーのおすすめ練習方法は、下記のとおり。
- 回り込みフォアハンドの球出し練習
- 回り込みフォアハンドからの展開
- ドロップショット
バックハンドストロークに来たボールもフォアハンドで回り込むには、手出しや球出し練習でフットワークやコースの打ち分けを磨いておく必要があります。
サイドステップやバックステップを使ってボールに回り込み、相手にコースを読ませないようにしっかりと肩を入れて打ちます。
回り込んでフォアハンドを打った後の展開も、練習しておきたいです。
回り込んでフォアハンドを打った後、相手のボールは浅くなりやすいので、短くなったボールの処理を実戦で練習しておきたいところです。
最後は、ネットプレーで決める機会も多くなります。
回り込んでフォアハンドとセットで練習したいのがドロップショットです。
左右に打ち分けるだけだと、次第にコースを読まれてしまいます。
前後にも打ち分けることで、相手に読まれづらい状態を作れます。
サーブ&ボレーヤー
サーブ&ボレーヤーに必要なのは、高いサーブ力とボレーを打ち分けるコントロールです。
高いサーブ力とは、スピードと回転を調整でき、コースを打ち分ける能力のことです。
ボレーは、さまざまなボールに対応しつつオープンコートへコントロールしなくてはいけません。
サーブ&ボレーヤーのおすすめ練習方法は、下記のとおり。
- サーブ練習
- サーブ後のファーストボレーの練習
- サーブ&ボレーからの展開
サーブは、ワイド・センター・ボディの打ち分けを練習する必要があります。
その際に、回転を抑えて厚く当てるフラット・相手を横に走らせたり詰まった当たりをさせるスライス・高く弾むスピンの3つの球種を使い分けれるようにします。
サーブ後のファーストボレーも、集中して練習する必要があります。
サーブの素振り後、リターンを球出しで出してもらい、ファーストボレーを集中して練習します。
ファーストボレーは、相手のリターン時には止まってボレーに備えます。
前に詰めることを意識すると、止まるのが遅くなり、ファーストボレーが難しくなります。
リターンの球出しは、いろいろな高さに出してもらい、ハイボレーからハーフボレーまで対応できるようにしておきます。
最後は、サーブ&ボレーヤーからの展開で総合的に鍛えます。
サーブからどう組み立てるかを磨きます。
サーブ・ファーストボレー・その後の展開の出来を確認し、自分の課題をはっきりさせておくといいですね。
オールラウンダー
オールラウンダーは、あらゆる場面で安定したパフォーマンスを発揮することが求められます。
あらゆるショットを高いレベルで打てる必要があり、対戦相手に応じて効果的な戦術を組み立てて戦います。
オールラウンダーといえど、得意不得意があると思います。
グランドストロークが得意なら、サーブ&ボレーヤーが行う練習でプレーの幅を広げます。
ネットプレーが得意なら、攻撃型ベースライナーもしくは守備型ベースライナーが行う練習でプレーの幅を広げます。
気をつけてほしいのは、手を広げすぎてすべてが中途半端になることです。
まずは、守備型ベースライナー・攻撃型ベースライナー・サーブ&ボレーヤーのどれかを突き詰めて、その後にオールラウンダーを目指すのがいいかと思います。
あなたに合ったプレースタイルを選べれば、テニスはもっと楽しく、やりがいのあるスポーツになります。