テニスのプロネーションをマスターするサーブの導入練習|3ステップ

テクニック
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テニスのサーブでラケットヘッドが走らず、スピードが出ない。しかも、ボールの軌道が安定せず、なかなかサービスコートへ入らない…サーブのプロネーションができればよくなるのかもしれないけど、どうやったらできるようになるのかな?
そんなお悩みにお答えします。
【本記事の内容】
  1. テニスのプロネーションをマスターするサーブの導入練習|3ステップ
  2. テニスのプロネーションがうまく使えない3つの原因|解決策もあり
書いている人
リョウジ

テニススクールの運営に10年携わる。(テニスコーチ・ストリンガー・フロント・事務など幅広く経験。)

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テニスのプロネーションをマスターするサーブの導入練習|3ステップ

ずばり必要なのはこれだ!

プロネーションとは、肩の内旋と前腕の回内を使った回旋動作です。

サーブやスマッシュといったオーバーヘッドショットで必須の動作であり、

うちわを扇ぐ

ように腕全体を捻り戻して使います。

「プロネーション」の本来の意味は「回内」です。テニスでは、前腕の回内と肩の内旋をセットでプロネーションと呼ぶことが多いです。

プロネーションのメリットは、楽にラケットヘッドを走らすことができること。

そして、下記の効果を期待できます。

  • サーブのスピードアップ
  • サーブのコントロールアップ
  • サーブの回転力アップ

いいことづくめのプロネーションですが、日常生活であまりない動きなので習得するのが難しいです。(人に教えるのも難しいです…)

本記事前半では、プロネーションの使い方がわかる

サーブの導入練習

を3ステップに分けて解説します。

【ステップ1】プロネーションの打点を覚える

サーブのプロネーションは、打点が大切です。

打点の位置を間違えると、プロネーションが起こらないからです。

打点はラケットを握っている手首がほぼニュートラルになる

右肩の上

にとりましょう。(右利きの場合です。)

サーブを打ちながらプロネーションの打点を覚えるのは難しいです。

まずは、ラケットを打点にセットして、トスしたボールを当てる練習を行います。

練習方法

右手にラケットを持ちます。

サーブはコンチネンタルグリップで握ります。

コンチネンタルグリップの握り方

⬆︎手のひらの斜めのラインをグリップの②の面に合わせる

コンチネンタルグリップの握り方

⬆︎コンチネンタルグリップ

ただし、ラケットは短く持ちます。

ラケットを短く持つ

ラケットのスロートを、人差し指と親指でつまむ感じです。

短く持つことで、ラケットの重みが邪魔をせずにプロネーションを練習できます。

右手を高く上げます。

右肘がほとんど伸びていて、右肩の上にラケットフェイスが来るようにします。

右肩の上にラケットフェイスがある

左手でトスアップして、ラケットフェイスにボールを当てます。

ラケットの動きは小さく、ボールをタッチする程度でOKです。

軽くボールをタッチ

打点が前になると、右手首が背屈してしまい、プロネーションができなくなります。右手首がニュートラルになる位置に打点をとりましょう。

【ステップ2】テイクバックからグリップアップしてインパクトを迎える

トスアップしたボールをプロネーションが使える打点で当てられるようになったら、テイクバックしたところからスタートしてみましょう。

プロネーションを起こす前に「ラケットダウン」をする必要がありますが、ここで形が崩れやすいです。

ラケットヘッドを落とそうとするのではなく、グリップエンドを打点の方角に上げてからインパクトを迎えるようにします。

そうすると、結果的にラケットヘッドが落ちて「ラケットダウン」が起こります。

「ラケットダウン」のとき、肩の外旋と前腕の回外を使った回旋動作が起こります。

ちょうど、プロネーションと反対方向へ腕が捻られます。

「グリップアップ」した結果、「ラケットダウン」が起こるのがポイントです!

練習方法

コートで練習するなら、サービスラインの後ろくらいから行います。

ボールを飛ばすことより、プロネーションの習得を優先するためです。

狙いはまだ対角線上のサービスコートではなく、まっすぐでかまいません。

両足を肩幅くらいに広げて、スクエアスタンスをとります。

テニスのスクエアスタンス

右足は打ちたい方向の右側を向き、左足は右斜め前を向きます。

フォアハンドストロークのスクエアスタンスと同じです。

両肩のラインの延長線上まで右肘を上げます。

右肘は90度になるまで曲げます。

グリップエンドは打ちたい方向の反対側へ向けておきます。

サーブのテイクバックで、グリップエンドは打ちたい方向の反対側へ向けておく

トスアップしたら、身体を回しながら右肘を伸ばしていきます。

さきほどの練習と同じ位置でボールをとらえます。

ボールをとらえたところでラケットは止め、スイングを終了します。

サーブのラケットダウンからインパクト

ラケットダウンがうまくいかない場合は、グリップエンドでボールを当てるトレーニングも有効です。

グリップエンドでボールを当てる

【ステップ3】フォロースルーは手を止めてグリップエンドが見えるように

【ステップ2】が慣れてきたら、ボールをとらえた後にラケットヘッドを打った方角へ向けてみます。

このステップで、右腕は肩から前腕まで内側へ捻られ、プロネーションが起こります。

グリップエンドが自分から見えればOKです。

テニスのプロネーション後にグリップエンドを見る

練習方法

【ステップ2】でインパクトを迎えた後、右手を止めてラケットヘッドだけを回します。

最終的には「テイクバック→ラケットダウン→プロネーション」まで一気に行います。

いきなりは難しいので、最初はインパクトでラケットを止めて、ラケットヘッドを打ちたい方向へ向けるのはおまけくらいで考えるといいでしょう。

ラケットを短く持っているので、ボールはそんなに飛ばなくても大丈夫です。

ここまでの動きを習得したら、ベースラインの後ろからグリップエンド付近を握ってやってみましょう。打点が高くなるので、その分トスを高く上げるようにします。

ボールがネットを越えるようになったら、対角線上のサービスコートを狙ってみます。

打ちたい方角に対してスクウェアスタンスをとるのがコツです。

サーブのスタンス

速いサーブを打とうとせず、ゆっくりプロネーションの動きを確認しながら練習しましょう!
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テニスのプロネーションがうまく使えない3つの原因|解決策もあり

さらにこれも知っておくといいかもよ!

サーブでプロネーションをやろうとしているのに、なんでうまくいかないのかな?

プロネーションをやろうとしても、うまく使えない場合があります。

よくある3つの症状の解決策を紹介します。

  • リストを使って打っている
  • ラケットヘッドが走らない
  • プロネーションをすると回転がかからない

リストを使って打っている

サーブでリストを使って打っている

リスト(手首)を必要以上に使って打っている場合、ラケットを縦に振っている可能性があります。

ラケットを縦に振ってしまうと、プロネーションが使えず、代わりに手首をこねて打ってしまいます。

リストを必要以上に使ったサーブは、打点が少しズレただけでネットしたり、フォルトしてしまいます。

これを解決するには、ラケットダウン以降は手首をコック(橈屈とうくつ)して、ラケットを横振りします。(実際は、斜めに振りますが…)

手首のコック(橈屈とうくつ)とは、親指を前腕に近づける動きのことです。

手首をコックすると、インパクトでラケットヘッドがグリップエンドより内側を通るようになり、うちわを扇ぐように肩の回旋と前腕の回内を使えるようになります。

サーブで手首をコックすると横振りに近くなる

手首のコックが難しい場合は、テイクバックまたは最初の構えから手首のコックを作っておくのも手です。

ラケットが横振りに近くなると、打点がズレてもネットやフォルトが少なくなります。(代わりに、左右のコントロールはズレますが…)

手首のコックが早すぎると、テイクバック時に肘が曲げづらくなります。手首をコックしてプロネーションする感覚がつかめたら、手首をコックするタイミングを徐々に遅らせましょう。理想としては、ラケットダウンのタイミングで手首をコックさせます。

ラケットヘッドが走らない

手首を背屈させたままサーブを打っている

ラケットヘッドが走らない場合、グランドストロークのように手首を背屈はいくつさせたままサーブを打っている可能性があります。

背屈はいくつは、手の甲を前腕に近づける動きです。

手首が背屈はいくつしたままインパクトを迎える原因は、打点が打ちたい方向に対して前すぎのためです。

打点が前すぎると、手首が背屈はいくつしてしまい、ラケットヘッドが走りません。

プロネーションが起こらないだけでなく、グリップの握りもコンチネンタルグリップより厚くなっていきます。

手首をニュートラルにした状態でインパクトを迎え、プロネーションを使うには、

打点を右肩の上方

くらい後ろにとりましょう。

サーブの打点を右肩の上方にとる

初めは、この打点でボールを飛ばすのは難しいので、短い距離(例えば、サービスライン)に立って腕の動きを意識して練習します。

また、インパクト後に手を下ろさないようにすると、ラケットヘッドが返りやすくプロネーションを引き出しやすいです。

プロネーションをすると回転がかからない

ボールがプロネーションした方向へ飛んでいってしまう

プロネーションすると、回転系のサーブがうまく打てない。ボールがプロネーションした方向へ飛んでいってしまう…

プロネーションしながらスライスサーブやスピンサーブを打つと、ボールが思わぬ方向へ行ってしまう場合、プロネーションするタイミングに問題があります。

フラットサーブはプロネーションしている最中にインパクトを迎えますが、回転系のサーブはインパクト後にプロネーションが起こります。

下のイラストのように、インパクトでプロネーションは起こっていません。

回転系サーブはインパクトでプロネーションは起こらない

プロネーションのタイミングをズラすなんてできないよ…

と思うかもしれません。

ラケットヘッドはボールを打ってから自然と返るので、プロネーションを意識して行う必要はありません。

右肘が伸びている最中にボールをとらえ、右肘が伸びきった後にラケットの重みでプロネーションが起こります。

フラットサーブのように、プロネーションの途中でインパクトを迎えるイメージは捨てましょう。

以上、テニスのプロネーションについてでした。

短い距離でプロネーションを身につけてから、徐々に距離を伸ばしていくと習得がスムーズです。

焦らず、じっくりとサーブのプロネーションを練習しましょう!

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